全力でやることとあきらめないことは違う。
手を抜くことと状況を見極めることは違う。
全力でやることとは完全にアウトのタイミングでヘッドスライディングするようなこととは違い、
勝つために最善を尽くすこと。
ヘッドスライディングはあきらめないことではなく、力を入れるべきところはそんなところではない。
長嶋のランニングホームランは、あきらめていない姿ではなく、目立つシチュエーションだったから
全力で目立ちに行っただけだ。
全力疾走すれば、逆転できると思っているわけではない。
手を抜くことは、それがただちに投げやりな態度とは限らない。
状況を把握し、どこで勝負に行くかを判断し、その場に来た時にどう処理するか、
を待っているような状態の場合は多々にある。
敗戦処理を採用せず、常に主戦のピッチャーで回していたら、結果、長いシーズン敗けに近づく。
長嶋が三塁で止まっても勝負の行方にはなんら影響しない状況だったのだから
それでもよかった。
勝つにはその後、打線がつながらなければいけないから、そうならなかった巨人は敗け、
ランナーが頻出したときにどう打線を活発にするか、そこで全力を傾ける。
この時の各人の本気とはアウトにならないためにどうするか、を考えることだけだ。
つまり、塁に出ることに本気になることが全力であり、その他に手を抜いてもよい状況となる。


