松井が日本のリーグ戦だけで、2000本のヒットを重ねたそうだ。
松井程のプレーヤーなら当たり前ではある。
この場でも、歴代ベストナインにおいて松井にショートを守ってもらっている。
誰にもマネできないびっくりするプレーを見せていた。
そんな、日本人では飛びぬけていた松井がアメリカへ渡る際、
「世界一のショートになる」と言っていた。
その拠り所となったのが、日本人離れした身体能力だ。
渡米した松井はその考えを改める。
松井の拠り所とした身体能力をもってしても、
さらに上を行く能力をもつ選手を目の当たりにしたからだそうだ。
ショートというポジションは花形だ。
そこは、世界中の優れた選手で構成され、チームのスターとなるべく選手が任される。
世界の広さを思い知らされたのだろう。
「渡米して思い知らされた。渡米していなかったら勘違いしたままだっただろう」
と自身で述懐している。
イチローのように世界一のバッティング技術で大リーグへ行ったのではなく、
松井は身体能力に任せてプレーしてきた。
バッティング技術はさほど高くない。
ドアスイングで下手の部類に入る。
そこで頼みの身体能力で勝てない相手がいるとあきらめざるを得ないか。
星野が言うように日本人としては稀に見る身体能力の持ち主だ。
他のスポーツをやっていても一流になれる。
公称178センチ(私は、もう少し小さいのではといつも思う)の身長でダンクシュートができるそうだ。
身体能力とは足が速いとか肩が強いとかパワーがあるとか
運動するに基本となる能力の高さを言うのだが、
これらを可能にするのがいわゆるバネだ。
バネがあることで他のスポーツでも一流になれる可能性が出てくる。
星野は「50年以上のプロ野球生活でNO.1の身体能力」
と松井を評しているが、この評価は妥当だ。
私が、ファンとしてプロ野球を40年近く見てきたが、
松井のようにバネがある選手で個人的に能力の高い選手を並べると
糸井、飯田、桑田、秋山、高橋義彦、荻野、仁志、今宮、菊池、内村かな。
梶谷もでかいわりにバネがありそうだ。
イチローや新庄はバネというくくりでいうと、あまり感じない。
松井はその身体能力の高さのおつりでプレーしているようなものだ。
まだ、プロのレベルで通用するのだろうが、
若い頃の躍動が見られなくなり、盗塁がなくなり、外野転向するくらいなら辞めた方が良い。
若い頃のプレーが華々しすぎたので、見るに堪えない。