引退理由は「自分では勝てなくなったから。」だそうだ。
本人が続けると言えば、球団も契約した可能性はある。
しかし、今シーズン勝利がない40過ぎの選手としては、当然の決断だろう。
チームの最年長、かつてのエースという立場であれば、手本となるべく行動が求められる。
すると、身を引くタイミングも手本となる行動を求められる。
勝つことが最も優先される勝負の世界においては、自分が野球を楽しむためにプレーをするより
チームの機能と発展のために身を引くこともプレーヤーの責任となってくる。
大洋在籍経験のある選手がこれでいなくなる。
三浦は、大洋の公式戦最後の試合でデビューしたそうだ。
豊富な人材を擁していた昭和48年生まれも、これでイチローを残すのみとなった。
そのひとつ下の49年生まれも黒田、井口、岩瀬の3人だ。
黒田も身を引く可能性が大いにある。井口と岩瀬は再契約の見込みがあるようだ。
まだ登板の機会があるので24年連続勝利の日本記録を狙う。
さらに2500奪三振まであと27個。あと1試合でこちらの記録達成もいける。
この記事では年間スケジュールが詰まり過ぎているというが、大会自体の数は多くはない。
甲子園に毎回出るような強豪校は大会が多いが、そうでないほとんどの高校は、大会が待ち遠しい。
基本、年間2回しかチャンスがなく、一度負けてしまえば終わりだ。
年間スケジュールが詰まっているのではなく、ひと大会のスケジュール自体が詰まっているのだ。
一気に優勝チームを決めなきゃいけない日程は見直すべきなのだが、
100年間何を言われようが変えてこなかったのだから、これからも変わらないだろう。
記事に
「新チームになって、これから失敗を重ねて、チームの問題点を整理していかなければいけない時期に、もう明日なき戦いが始まる。彼らはいつ育成の時間を有するのだろうか。」
とあるが、野球人生は高校時代で完成するものではない。
チームの問題点を整理することなど、この程度の大会スケジュールでできないものでない上に、
そもそも高校野球は、本来、野球選手の育成を目的としていない。
ただ、ここまで巨大になった高校野球文化を文武両道や高校の部活動という意識だけで
仕組みをつくっている現状は、歪と矛盾が多く存在する。
この記事でも触れているように
野球の技術向上や野球選手育成という目的の仕組みも考えざるを得ないし、
ファンもそこを求めている人は多い。
高校野球らしさのファンばかりじゃないということだ。
環境をつくるというのはその通りなのだが、
それを実現すると、夏の甲子園一発勝負による涙という野球素人をも惹きつけてきた
高校野球ファンが望む展開が薄くなってしまう。
オリンピックチャンピオンがこんなところで負けられない。
しかし、本調子でなく、不安があるそうだ。
お礼回り、イベント、取材、は少し遠慮したらいい。
スポーツ選手は、技術と体力の維持、発展で生きている。
次の目標や大会に合わせて逆算して調整する。
それを最も優先すべきで、その事に少しでも支障をきたすスケジュールは回避したらいい。
吉田が敗けた理由のひとつにレスリング以外のスケジュールが多く入り、
集中できなかったというものがある。
落合は、現役時代のキャンプで開幕に合わせるスケジュールを組み、
歩く期間、ランニングの期間といった体づくり、ノックで体をつくる期間、
バットを振る期間、生きた投手の球を見る期間、打ち込む期間、といったように綿密に
調整していた。
大雨がふっても歩いたり、ノックを受けたりしていた。
その理由は、
「開幕に合わせて調整するスケジュールを立てている。この程度の理由でやめられないよ。」
といったことを言い、雨くらいの理由でその練習をやめることはしなかった。
そのくらい、本業を最優先して行動した方がいい。