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人々が熱狂する甲子園 精魂込め涙する高校生 牙城は固い

先週からひきつづき、日本の野球システムについて考察している。

 

高校野球、甲子園大会には、

舞台をつくる側や観るファンが、野球という日本の第一スポーツを介して

子供と大人の中間あたりの複雑な思春期真っ只中の高校生に、団結した人間ドラマを期待した。

選手もその期待に応えることを嬉々とした。

 

甲子園に出たいというのは、額面通りの甲子園で野球がしたいという以上の意味がある。

自分が高校野球をやるという選択したに大きく影響を及ぼした、あるいは、

野球を志すにいたる憧れた選手、戦いと同じ舞台に立ち、

日本の高校生世代の最高峰の相手と高度な野球を経験したいという意味だ。

 

これまでも毎回大会が終わるたびに、

投げ過ぎだ。誤審だ。勝負しろ。高校生らしく。とか騒いできても変わらなかったのは、

大義名分が野球をやるためだけに存在しているわけではなく、教育の一環を標榜しているから。

そして、

高校野球ファンも大きく変わることで感動、友情、家族愛、郷土愛が薄れることを望んでいない。

 

芦屋学園が高野連に属さなかったのは、

変わらない高校野球に属することが、指導の理念に合わなかったからだろう。

そして、野球を介しての人材育成に

高校野球のシステム以外に選択肢があってしかるべきと考えたからだろう。

それでも、日本で野球をするには高校の野球部に属するしか選択がなかったというのは、

それだけ高校野球のシステムにこれまで人々が熱狂し、その牙城が堅固だということだ。

同じことは大学野球にも言える。

 

先日の明治神宮大会決勝は明治-桜美林というドラフト1位ピッチャーを抱える対戦となった。

佐々木は連投を回避し、準決勝は投げなかったものの中1日登板、柳は連投だった。

大学野球レベルの野球なら連投でも通用し、若いから無茶をする。

 

チームも監督も勝ちたいからエースに頼る。そうなればエースも応えたい。

応援してくれる身内や同級生にかっこいいところを見せたい。

高校野球と同じ図式だ。

 

また、甲子園同様に歴史を持つ六大学野球は、

かつてプロより人気があったほど栄華を誇ったため、その誉と熱狂を忘れられず、

いまだに東大が負け続けながら所属している。

 

他の大学の野球エリート達は、東大となどやりたくないのに、

歴史のある六大学野球には各大学が予算をつけてくれるため、環境が良く、

全国からそこで実力を磨こうと良い選手が集まる。

歴史があるために

パイプも太くなり、選手を集めやすく、メディアもドラマをつくりやすく、取り上げる。

選手もそれらの条件なら東大とやることも我慢して、進学してくる。

旧態依然の体制は、甲子園も大学野球も変わっていかない。

明日へ。

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