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選手にも審判にも好ましいもう一度判定を出す機会 判定についての総括Ⅸ

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水曜連載、9回目となった判定についての総括。

 

人間の判定による審判制度では、異を唱える場合も工夫が必要となる。

ただ単に、がなり立て、アピールするだけでは遠吠えに映ってしまうことがあり、

審判も受け入れない。

 

2016年夏の甲子園決勝では、作新学院が無死満塁のチャンスをつくり、

打者の打球はファーストの前に弾んだ。

これをファーストが前進して処理しようとしたが、捕り損ね、

打球は1塁ベース手前でファールゾーンへと転がって行った。

判定はフェアとなり、その後この回、作新学院5得点となった。

 

どうも、グラブに触れたのでフェア判定としたようだ。しかし、ファーストは触れてはいないと語った。

プレーへのアピールや確認は当該選手に認められている。

 

このプレーでは、捕球しようとして逸らしてしまったファーストは、自分はエラーをした意識がある。

そのため、全く打球に触れられなかったことがミスであり、恥ずかしいという思いが先に立ち、

アピールという行動にとれなかったのだろう。そして、状況が良く呑み込めていないというのもある。

さらに、高校生には審判にアピールする経験が少ないので、

どう言ったらいいか、どう対処していいかわからないのだ。

 

当該選手は、はっきりと今のは、こうでこうなりました。と冷静に整然と説明するのが良いだろう。

当該選手以外は、ベンチの選手が審判へ駆け寄ることがあるが、当該選手でない限りアピールは弱く、

プレーの確認にとどまってしまう。そうなると主審に説き伏せられるだけとなる。

ベンチより近くで見ていた大人である審判が

遠いところで見ていたベンチの高校生に屈することなどないからだ。

 

この時は、当該選手の1塁手を呼び、ベンチから行った選手が「お前触ってないよな。」

「俺全く触っていないですけど、ファールですよね。」とかもっと良い言い方があっただろう。

 

監督は言い方、アピールの仕方も勉強しておく必要がある。

監督は「アピールしましたけど、触ったと言われた以上はわかりましたとしか言えない」と悔やんだそうだ。

おかみに対する態度だ。

つまり、これが高校野球の体質。白も黒くなる体質。

高校野球を主導し、主催している人たちは勝敗以上に重要視しているものがあるから。

 

この判定が誤審と言うわけではない。主審が悪いとも思わない。

主審1人が一瞬で判断したことが完璧なわけがないのだから、その判定自体を責めることはない。

ただ、その後の対処の仕方だ。

 

もっと、協議や振り返る機会が審判団にも与えられていれば、判定が違ったなと思い直すもしれない。

そうしたらもう一度判定を出す機会が与えられる。

選手にも審判にもその方が好ましい。

ゲームの進行や高校生らしさだけを求めている体質は、不幸を呼んでいる。

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