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突然、機械が正義となる変わり身の早さ リクエスト制度導入Ⅲ

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リクエスト制度導入による判定の仕組みの検証をする木曜連載の3回目。

 

先日のソフトバンク・中村の打球は、最初ファール判定ののち、

リプレー検証を経た上でホームランとされた。

さらにそれが後日、やっぱりファールだったというもので、

リプレー検証を採用しても間違えることがあるということがわかった。

 

このリクエスト制度やその前にあったチャレンジの仕組みが認められていない頃は、

判定抗議のたびに映像によるリプレー検証を導入しろという声が持ち上がっていた。

映像を人の目で見ての決断は、絶対という認識が全ての人にある。

映像は間違えず、これに頼れば全ての人が納得するからだ。

 

だが、この一件では、映像で確認しても間違えることがわかった。

ただ、これは映像に欠陥があるのではなく、配置した録画機器の位置によっては

再生画像が判断しにくいものがあるということで、やはり人為の欠陥ということになるだろう。

 

この場では、映像による確認が最もよいものとは捉えていなかった。

相撲の「ものいい」の制度のようなものがよく、主審、塁審、線審以外にも複数の副審を置き、

判断が難しいものは、一旦進行を止め、協議の上で判定を下すことが良いとしていた。

 

先日の中村の打球に対して、オリックスは続行試合を要望していたようだが、

仲野パ・リーグ統括は「野球規則7.04に基づいて、続行試合は行わない」とし、

「リプレー検証のマニュアルを細分化して、審判員に再徹底する」そうだ。

 

変わり身が早いものだ。

今までさんざん審判の威厳とか言ってきたくせに、

ひとたび機械を導入すると一気にそっちへなびいている。

ひとたび制度を変えた途端そちらが正義となり、これまでの議論や主張はなかったものとするのか。

これまでの球界全体で声高に語られてきた主張をこれほど一気に変えて、

現行制度があっさり正義となるなら、それまで機械で判定しなかった数々の抗議案件について

間違いが多数あることになるだろう。そこには、何も触れることなく体制を変えてしまった。

変えるのはすべきことだ。今までが悪いのだから。この場でもさんざん記してきた。

それにしても、この変わり身の早さで顧みることもしない姿勢。

今までのすべての優勝チームが、実は優勝チームではないという可能性があることになるのに。

一旦そこの解釈を鮮明に言及してから、話を進める態度が欲しくなる。

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