移籍先が見つからないということで平田が引退した。
平田は落合が監督時代、鍛える、と宣言してドラフト1位指名された。
ドアスイングの平田を技術の王様・落合がどうして欲しがるのか理解に苦しんだが、
ガッチリとしたケツから下を特徴として身の詰まった体躯が野球選手としてのプレーを支えた。
高校時代、夏の甲子園で2打席連続ホーマーのあと、3打席連続がかかった時は
フェンス直撃の二塁打、その後またホームランで1試合3ホーマーを記録した。
平田のように主力として活躍した選手が成績を落とし、30代半ばで引退するのはスポーツの仕組みと
ペナントレースの仕組みによる。
プロスポーツは勝負が大前提なので試合に出るのはその時、最も実力が高いもの順に出場する。
そして、毎試合その選手たちで戦いたく、ところがその実力の上下がはっきりわかる目を持つ人間は専門家にもいない。
これまでの実績があるからという理由で実力下の選手を使っているということもあるだろう。
だからそう簡単に選手は入れ替わらないが、一旦入れ替わってしまうと
それまで出場していた選手は歳を重ねているので再度、元に戻るということはしにくくなる。
入れ替わった選手は若い選手であることが多いから、この選手を使って将来のチームのためにしようと
試合数を重ねさせるからなおさらだ。
野球では野手は毎日、試合に出場する。
身体への負担が少ないのでこれが可能であり、すると偏った選手起用となる。
サッカーは1試合での体への負担が大きいので野球のように毎日試合をしない。
Jリーグ発足当時、水曜日と土曜日の週2試合制に選手は、きつい、世界で週2試合なんて例がない、と反発した。
これを発言したのはレギュラークラスの選手たちだ。
そういう選手は全部試合に出ることが念頭にあるので、それでは最高パフォーマンスを発揮できなく、
ケガのリスクが高い、と反発するのだ。
しかし、レギュラーでなければ試合数が多ければレギュラーが休む間、試合ができるので歓迎したはずだ。
野球でも平田のようにどこも必要としないのはこの戦い方の仕組みによるのだ。
先述したスポーツの仕組みとは実力の高い者が多く試合に出る、ということで
ペナントレースの仕組みとはその実力が高い者が多く試合に出るように試合数を組んでいるということ。
さらに次回以降、この仕組みを深掘りしていく。