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ドラフトでプロ入りを目指す一方、海外を視野に入れる若者

今月のドラフトで多くの若者がプロを目指す。

昨日は吉田がプロ志望を表明した。

今では日本のプロを経験せず、海外でプレーをする選択肢もできている。

 

将来は海外プレーを切望する選手にとっては、日本のプロに入って実力をつけようと考えてしまうと

遠回りする危険が認識されつつある。

日本のプロを選択した場合、高校からプロへ入り、プロの水に慣れ数年を要して

FAを獲るかポスティングの頃には10年くらいが過ぎている。

それでやっと海外へチャレンジすることになる。とても時間がかかる。

 

大谷のように海外プレーを翻意させてまで入団させたケースでは、日本球団も本人の意向を優先して

海外移籍を念頭に置いてくれる優遇があるだろうが、これは大谷のような選手だからだ。

そうでない選手が海外を夢見る場合、日本のプロの誘いは断り、

大学や社会人を経由する選択をする道が生まれた。

つまり、日本のプロへ行って時間をかけるより、大学なら4年間、社会人でも数年ということで

体を鍛え、野球に接し、若くて伸びしろのある段階で海外へ渡るのだ。

しかも大学なら中退してもいいし、社会人だっていつでも辞められる。

海外へスムーズにいくための手段としての選択方法として、これが生まれたことになる。

 

特に野手はピッチャーの肩、肘のように消耗とはならないのでスムーズに最終目標を達成するには

むしろ大学や社会人経由が早道なのだ。今は、こういう時代になったわけだ。

 

逆に言うと、日本のプロのFA制度やポスティングシステムが選手の可能性を狭めていることになる。

日本のプロ入りが遠回りという認識が広がると、日本の野球にも選手にも損なことが起きる。

選手達がプロよりレベルも注目も落ちる大学やノンプロを好むことで成長曲線が鈍る可能性があり、

日本プロ野球には人材が枯渇し、日本の最高レベルの野球の成長曲線が鈍る。

ファンは、最高の野球を楽しめないという悲劇だ。

 

可能性を求める選手に対し、ファンがそれを後押しし、欲する仕組みのあるフィールドオブドリームが、

日本のドラフト制度からFA制度を駆逐することとなったわけだ。

既存の枠組みや権益を破壊する動きが、選手の技術の発達によりなされる傾向がみてとれる。

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