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殺人の意思があったら完全犯罪が成立するバットを振り回していい、ボールを投げつけていい恐ろしいスポーツ野球

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スポーツにおけるルール無視が、世間の話題になっている。

どんな競技でもルールを無視した行為を行えば、大惨事が待っている。

そこは、良心に任せ、相手のフェアプレー精神、スポーツマンシップに期待するしかない。

闘争心が勝負に影響するスポーツは相手に対し敵意をもって対する。

格闘技などは、殺してやるくらいの意識がなければ、自分が殺されかねない。

 

アメフト、ラグビー、格闘技、サッカー、バスケなど体が触れる機会がある競技はもちろんのこと、

体操やフィギアスケートなどの演技採点スポーツでさえ、同様だ。

対戦選手に気づかれないところで道具に細工をして、ケガを目論むことも可能。

ハーディングへの疑惑は、日本でも大いに話題になった。

 

野球ではどうだろう。

野球もこのフェアプレー精神、スポーツマンシップが欠如すると恐ろしいスポーツだ。

あんなに硬いボールと硬いバットがありながら、守備側の人間はグローブしか持たない。

キャッチボールは、硬いボールを胸や顔面めがけて投げ合う。

ゴロの処理では、バウンドが変わるかもしれない速い打球をキャッチしなければいけない上、

キャッチできなければ、体で止めろと言う。

どこに向かうかは、ボールに聞かなきゃわからないのに。

 

送球を捕る際には、鉄の刃のついたスパイクで自分に向かってくるスライディングを

視線をボールに置きながら、かわさなければいけない。

 

試合でなくとも、何気ない素振りひとつでさえ、目の前で振られる。

金属バットを道端で振リ回して歩いていたりしたら誰も寄ってこないし、即通報、検挙だ。

ところが、グラウンドという仕切りのある空間に入った途端、違和感は全くなくなり、

危険という感覚もなくなる。

グラウンドでは、目の前であの凶器にもなる金属バットを

ほんの1メートルしか離れていないところで振られても笑顔でいられる。

 

打者は、投球が自分めがけて投げ込まれる。

野球選手でデッドボールの経験のない人間はいない。

それでも、打者はそのボールに向かって、踏み込んでいって打たなければならない。

 

実際に、打球が頭に当たり死んでいる例はいくつもある。

 

ぶつけても投手に与えられるペナルティはワンベースだ。

頭にぶつけても退場すればいいだけ。

かつて掛布はデッドボールで骨折し、

その恐怖とともに打撃成績を一気に下降させ、引退に追いやられている。

 

練習中は、方々でボールが飛び交い、グラウンド内の人たちの技術が信用できなければ、

いつボールが襲ってくるかと気が気でない。

 

良心がなければ、少し気が狂ったら、簡単に人を傷つけられる。

それも、非を受けずに。

 

味方のプレーヤーを傷つけようと一瞬でも頭によぎったことがある人はいないのだろうか。

プロのように生活がかかった人は、ポジションを争うような選手にけがをしろと願うことはないだろうか。

そう思った瞬間、それとなく不慮の事故を装うことはないだろうか。

そして実際、行動に移した人はいても不思議でない。

事故で済ませられ、不可抗力で済ませられる。

むかつくやつにはぶつけてやろうと思う精神の未熟な高校生が浅はかな行動に移ることも

あり得ないとは言えない。

 

もし、

殺人の意思があったら完全犯罪が成立する。

グラウンドの中なら、わざと人にボールをぶつけてもバットで殴っても偶然で片付けられるのだ。

全ての行為が、相手の良心に全権委任するという恐ろしいスポーツだ。

意識するとつくづく恐ろしいスポーツ。

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