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高卒2年での自由契約 楽天・西巻

先日、楽天・西巻が自由契約となったことで、話題になっていた。

まだ高卒2年が経過したところなのに自由契約とは判断が厳しい、という見方からだ。

これを戦力外通告と受け取った人たちがいるので、見切りが早く、育てる気が

ないのかと批判するわけだ。

 

ただ、楽天としては育成契約の提示をしたのだ。

育成へ降格するには、一度自由契約としなければならない。ところが、本人は

育成での契約も視野に、自由契約で他球団が支配下契約してくれるのなら、そちら

を選びたいという意向だったため、一旦、自由契約の期間が長くなるという状態

だったと思われる。

これを、戦力外と伝えた人がいて、それが拡がった感がある。

戦力外というより、一旦自由契約処置というのが正しいのだろう。

 

西巻は高校野球で活躍し、日本代表にもなったが、その年のドラフト指名されたことに驚いた。

体が小さいので、プロでは厳しいと思われ、本人がプロ志望だとしても指名する

球団はないだろうし、野球を続けるのなら大学、社会人というところと思ったところ、

楽天が指名した。

さらに、1年目のシーズンから1軍の試合に出、それもスタメンで起用される機会が多くなった。

 

へーやるもんだと思っていたら、2年目のシーズンを終えたところでクビというから

また、驚かされた。

ところが、クビではなく、育成打診ということだった。

 

プロ側も獲る責任というのがある。獲る機会さえあれば、何でも手を出すということは

慎む姿勢がある。それは、プロは、支配下にしても、育成にしても、ほとんどが

満足行く野球人生を送ることができず、去って行くものだから。それでも、一般の人より

お金が稼げればいいが、ほとんどが数年でクビとなる。長い人生を考えた時、

お金という面、つまり生活という面で不遇になりかねないわけだ。

プロに入りながら、不遇で終わることの方が圧倒的に多い。これは、今後も変わらないし、

絶対にそうなる。

それを、高卒の2年で切るくらいなら、最初から獲るなということになる。

指名しなければ、違う人生を考えることもできた。

指名したばかりに、プロへ希望を持ってしまい、後悔につながる可能性がある。

 

若い時分にプロから見切りをつけられれば、再出発も厳しい道のりになる。

それなら、地道を選び、目一杯野球をやりながら、途中でプロを諦め、別の分野を

模索することだってできる。

 

ただ、野球を志した人間として、一度でもプロから乞われたのなら、そんな名誉はないし、

そんなチャンスも少ないからプロになれたというだけで一生の誇りとして、

不遇も辞さないという感覚になることが多い。

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