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野球ではガッツポーズは侮辱行為 報復行為の対象

ボクシングなどで相手を倒した後の大喜びには冷めた目を送る。

 

ボクサーは死ぬかもしれない緊張の現場で、やらなきゃ殺される一心から殺そうと殴り続ける。

そして、相手が倒れたことで、その緊張から解放され、戦場からの生還を手に入れたことで

大きな喜びとなり、両腕を上げて、生還を喜ぶ。

 

とまあ、ここまでは良心的な見方だ。

しかし、だったらやらなきゃいいとも言える。

人を傷つけることはそもそも犯罪なのだから、格闘技そのものの存在がいらないはずなのだ。

これを、スポーツとして、人類の肉体の可能性を追求するために存在するのなら

ガッツポーズはいらない行為のはずだ。

 

生還を手に入れた喜びのガッツポーズと言うより、多くは誇示による。

自らの強さやかっこよさをアピールするための、または自分への注目を集めるためのパフォーマンス

ということ。

 

野球ではガッツポーズは侮辱行為ともよく言われる。

MLBでは報復行為の対象となるとされる。

 

王は、お兄さんから相手への配慮として派手なポーズは控えるよう諭され、

記念のホームランでファンに応える以外はやめることにした。

落合も相手への配慮から派手なポーズは控えた。

だが、これら野球でのものより

倒れた相手に自分だけが生還した偉さを誇示することの方がはるかに侮辱行為に映る。

 

この差はやはり、直接の人体への痛みと、そうでないものだからと思われる。

格闘技で敗れた身からすると、倒れたその時点では、くっそー、もう1度闘って

今度は俺が倒してやるなどという気にはならない。

打ちのめされて、傷つき、もう立ち上がることすらできないと思う。

安全な場へ一刻も早く引っ込みたいと思う。

だから、相手には慰めてくれとは言わないが、喜んでいる相手の姿が目に入ったならば、

恥ずかしいとか、うらやましいとかいう気持ちが湧き、その場から隔離されたくなるものだ。

 

対して、野球は傷つけられていないから、ガッツポーズされたら侮辱行為というより

むしろ、せいぜい喜んどけ、お前はこの程度のことで喜ぶ実力なんだな。

それなら、次は目に物見せてやる。次はお返しだと意を決する。

相手が成功しているのに、ガッツポーズもせず、淡々としていたら、その方が不気味であり、

まだ、こいつの実力は計り知れなく、俺には一生、敵わない相手なのかもしれないと

頭によぎり、意気消沈してしまう可能性がある。

だから、喜んでもらった方が相手の情報を得られて、やられた側にとっては得なのだ。

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