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ドラフト2020

今日はドラフトだ。

ドラフトは、それ自体がひとつの商品となり、ファンサービスと化した。

 

ドラフトは戦力均等、年俸高騰阻止というプロ側の都合のためにはじまった制度だが、

FA制度が出来、海外も視野に入る現代で果たして必要な制度かと疑問に思う。

 

そしてプロは金で強くなってもいいはずだ。

プロだから。

 

ところが金をかければ必ず勝つわけではないのがスポーツだ。

そして評価が低くともなにくそとエリートを負かすことが珍しくないこともスポーツの魅力だ。

 

古田は高校時代無名で大学でもドラフトにかからなかった。

上原も高校時代は控えピッチャー。大学も浪人して普通に受験し、教員になろうと入学している。

黒田、沢村も高校時代は控え。

新井はどうしてもプロになりたく、つてを頼り、広島6位でねじこんだ。

今年、セ・リーグ首位打者、横浜4番の佐野は大卒ながらドラフト9位だ。

今年の目玉の1人、佐藤も高校時代は無名の進学校で3年の夏は地方大会の初戦で敗れているそう。 

 

かつて巨人が金にものを言わせFAで買いあさりながら勝てなかったように、グラウンド上には

9人しか出場できないという制約がある野球というスポーツでは全体の戦力で優劣をはかるわけではないし、

勝敗はピッチャー次第という野球の特徴があるからだ。

また、高額の選手も次の年には例年どおりの成績を残せるとは限らず、力は衰え、ケガもあるからだ。

 

何より、本来、自由な職業先が選択できないドラフトはもっと異が唱えられていいはずだ。

江川のドラフトも、今になって冷静に考えれば、職業選択の自由、互いの引き合いを無視した制度が生み出した悲劇だ。

巨人ばかりを見て育った憧れから、そこへ行きたいという10代の若者の当たり前の希望だったのだろうし、

そして、巨人からもラブコールがあるのだから、くじなどに決められたくはないと思うのは当然のもの。

ところが江川が大物過ぎたので裏技を使い、マスコミの取り上げ方のせいで、一気に悪者になってしまった。

ドラフトがなければヒールにはならなかったわけだ。

 

それでもドラフト廃止の声はあまり上がってこない。

問題を多く抱えながらいまだに続いている。

むしろ今の方が注目が高まっている感があるくらいだ。

 

それは、ドラフトがこれまで多くの人間ドラマを生み出してきたからだ。

ファンが予想してワクワクできるという、それだけでスポンサーがつく巨大イベント、巨大コンテンツになってしまったから。

今のドラフトは、ファンが会場に入ることができ、始まる前は12球団入場なんてのもあるくらいだ。

笑わされる。

スポンサーのリポビタンDはドラフト会議を応援するとまで言ってしまっている。

 

この時期になるとあらゆるメディアで指名予想を楽しみ、本番では意外な指名にどよめき、

くじ引きでは、当事者でもないのにドキドキしてしまう。

さらに、下位でひっかかった選手のこれまでの経緯に感動したり、苦労に共感したり、

と野球を超越したドラマを楽しむ。

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