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現実に直面して肩を落とすプロ野球選手

プロ野球選手になった人たちは、小さい頃からそればかりやってきて、プロになることを夢見て、

実力の上昇と周りとの比較から、プロも可能と思い、そしてそれまでの実績から俺ならプロでも活躍できる。

信じてやってきたから自分がヒーローにならないことなど想像もしない。

 

プロを夢見る時、参考や憧れはその世界で活躍している先達だ。

日の目を見ない人を憧れる人はいないから。

フィールドを躍動し、多くの人から注目され、お金を一杯稼ぐ自分を想像する。

 

しかし、プロはそういう人達だけが集まる場所だ。

それまでは自分の年齢に近い人達の中でだけ野球をやってきたが、プロは年齢に関係なく、

広い世代の超うまい奴だけが所属し、さらに海外からも戦力を補強する。

その中で出世するのは、むしろ可能性としては低い。

つまり、活躍できない可能性の方が圧倒的に高いのだ。

希望に満ちてプロの門をたたいたものの、現実に直面すると(ケガの場合が多いものだけど)狼狽する。あるいは落ち込む。

それまで常に褒められてきたけど、プロでは落ちこぼれに転じてしまうことがほとんどとなる。

それは想像していなかったことだったと、現実に狼狽するのだ。高校生の無邪気な奴はそうだろう。

社会人を経由した人はさすがにそうじゃないだろうが。

 

社会人経由の大人となった人間は、プロの世界はどんなものか、どんなレベルなのか、

子供の頃から見ていた世界はどんなものなのか、最高峰の選手はどんなプレーをするのか、

といったことが見たいという動機の人も多かろう。

甘い世界じゃないから何年もやれないことを元から覚悟して入団する。

それでも、憧れの世界にせっかく誘われているのだから、一度はそこに足を踏み入れてみたい。

数年でクビでもそれはしょうがない、と。

 

例えば元ロッテの岡田は育成で指名された時、すでに妻子がいた。

反対する奥さんに、2年だけくれ、それでだめならあきらめて、就職するから、と説得して入団した。

現実的にそう長く野球はできないだろうから、契約金や年俸の使い道は、堅実に貯金したり、

運用を考えるだろう。

そこからプロ人生は10年になった。日本代表にも選出された。

引退の会見では「10年間、本当に幸せな野球人生でした。」

本当にいい野球人生だと思う。こういう風に辞められるのなら一番いい。

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