すっかりリクエスト制度が定着した。
このリクエストは監督が主審に向かって四角を作ることで発せられる、という慣わしになった。
プロは代打、代走の選手交代はわざわざ監督が名前を告げることがない。
バットを持っている選手を監督が手で示せば、それが代打。
両手を走る腕振りをしてヘルメットを被って出てきた選手を指し示せばそれが代走の合図、となる。
ピッチャー交代の場合は、しっかりと監督が主審に近づき、その名を告げる。
おもしろい慣わしだ。
リクエストの際の四角のサインは当然、モニターをあらわす。
モニターを見て、確認してみてという要求を主審にしているわけだ。
文字通りリクエストということになる。
リクエストは失敗したら回数が減らされるから戦況をみながら、すべきかを考える。
だから大方、野手や走者という当事者からベンチへ要求してくれ、という仕草を送ることが多い。
もしくは近くで見ているランナーコーチが送ることが多い。
ベンチもあいつらはどう思っているのかな?と様子を伺い、そのシグナルを受け取って四角をつくることになる。
そうではなく、ベンチが即座にリクエストをする場合もある。
野手や走者の当事者が何もアクションをしていない場合のことだ。
こういう場合は判定が覆ることは少ないだろう。
つまりリクエストは失敗する、ということ。
当事者は自分でアウトかセーフかはわかっているものだからだ。
当事者は審判以上にわかっているものなので、その当事者である選手が要求しないということは
判定が間違いないと納得しているということになる。
リクエストされると当事者は映像確認して判断が下るまでその場で待っていなければならない。
こういう場合は覆りにくいわけだから、待っている間も、無理だよ、とか思いながらとなるだろう。
そして特にミスや不本意なプレーであると、リクエストしないでくれ、と思うだろう。
球場の大画面でその瞬間が映し出される可能性があるからだ。
守備側だったら、ボールを落としているのにそれが陰に隠れてベンチからは見えない場合に
リクエストされると当事者の野手は取りこぼしが大画面に映し出され、笑いを誘うかもしれない。
走者はもっと恥ずかしい。
暴走でのアウトが判定覆らずだったら、恥ずかしい状態で塁上に残り、観衆にさらされる。
一番は、こけた時。
スムーズに走っていたらセーフのタイミングをこけたり、つまずいたり、すべったり、
それでもそのまま必死に塁を狙ったが、タッチアウトの判定。
そこを監督が見せしめのごとくリクエストし、しばらく塁上に取り残される。
アウトなのはわかっているよ、こけたからだよ、早くベンチへ帰りたいよ、とな
るわけだ。
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