プロになるほどの選手が、それまでの野球人生の中、ピッチャーをやったことがない、ということはまずない。
元中日の和田はやったことがないと自らの口で言っていたが、これはたまたまだ。
しかも和田はキャッチャーだから肩はいいはずで、そんな選手がピッチャーをやったことがない、
ということはたまたまのチーム事情やタイミングに過ぎない。
チーム内の構想にはあがっただろうし、練習はしたことがあるだろう。
本人の記憶にないだけかもしれないし、公式戦で投げていないだけで紅白戦や練習試合では
投げたことがあるかもしれない。
そこで最も不思議なのはオリックス・宗が高校時代ピッチャーでないということをこの場で記したことがある。
あれだけの肩を持ち、身体能力が高いのにピッチャーをやらないというのはどういう了見か。
コントロールが不十分で球の速いピッチャーは登板機会がなく、外野手としてプレーする例は多いが、
それでも何とか投げられるようにならないかと、本人も周囲も期待してピッチャーとして訓練するものだが、
宗はピッチャーをやっていたという話を聞かない。
宗は横浜隼人高校だ。
神奈川の強豪で、部員数が多いとして有名だ。
神奈川は甲子園に出れば、そのままそのチームが優勝候補に挙げられるほどレベルの高い地域だ。
出場校数で一時、愛知が逆転したことがあったが日本一を誇るので強豪校がひしめき合っている。
横浜高校と東海大相模という両横綱を筆頭に、桐蔭学園、慶應義塾、桐光学園といった全国区のチームに加え、
強豪私立が他にも数あり、公立校にも強豪が多い。
宗は中学の野球部に所属していたそうだ。
つまり、軟式野球。
高校野球では中学時代に硬式野球だったか、軟式野球だったかで、ある傾向がみられるそうだ。
この傾向は宗がピッチャーをやらなかったことの不思議に拍車をかける。
明日へ続けよう。