栗山の野球における出世は稀有な例だ。
一般に野球人生の成功は現役中の好成績によって成り立つもの。
ところが、現役を退いてから有名になって行った。
東京の強豪校、創価高校のエースとして甲子園出場経験はなし。
先生になろうと学芸大に進学。
大学進学はあくまで先生になるためだから、強くはない学芸大野球部なら野球を続けてみようか、
という程度のものという印象を受ける。
すると大学野球で順調に実力が伸びたので、好きな野球で立身を考えるに至ったのだろう。
プロに行くなどとはもともと頭になかったけど、大学での自分の実力の伸びの実感、
他選手との比較から、プロにチャレンジしてみよう、という気になったのだろう。
幼少の頃より野球を志した人間がプロになれるチャンスがあるのに、それを逃す選択はまずしない。
かつて慶応のエースとしていまだに破られていない六大学連続イニング無失点を
記録した志村はプロで通用しない、と自身で見切り、1位指名有力の実力なのにプロを拒否した。
とりあえず、プロに行って3年くらいやってみて、それから就職しても遅くないと思われるのだが。
決まっていた就職先もそれくらいは待ってくれるだろう。
栗山の稀有な例は次回へつづける。