以前、則本が8戦連続二桁奪三振なる新記録を打ち立てたことがあった。
新記録といっても、これは公式の記録となるのか。
マスコミが話題として見つけてきて“新記録”としているだけで、それにのっかった球団が
ファンサービスの名のもと、パネルをつくり、讃えたに過ぎないという印象。
そう印象付けられるのは、二桁というのは人間の意図が含まれたものだからだ。
たとえば、単純に数を比べるのなら優劣がはっきりする。
9個と10個では誰がどう見ても10個の方が数が多いのだから、優秀と判断できる。
だが、二桁ということで区切ると9個以下と10~27個ということになる。
二桁というのは、人間が決めた区切りだ。
自然の理や人間の感覚を総合して10進法を採用したことから、
この二桁という区切りが生まれたのだろう。
10奪三振を7回続けたのと15奪三振を6回続け、7回目が9奪三振だとしたら
この7試合で70奪三振のピッチャーが、7試合で99奪三振のピッチャーの
6試合連続二桁奪三振を抜いて、7試合で日本記録となる。
あたかも、70奪三振のピッチャーの方が優秀とさえ受け取られる。
三振を奪う能力ということで言えば、7試合で99個を奪った方が、優秀と思われるが、記録にはならない。
それまでは野茂の6試合が最高だった。
6試合で則本は、10、10、12、12、12、10。
野茂は6試合で11、10、10、10、10、10。
このほかに野茂は5試合連続二桁奪三振を2度記録、則本は、5試合連続を1度記録しているそうだ。
イニング数を比べれば、また違う評価もできるだろうが、これだけを見ると
則本には野茂と同等以上の三振奪取能力があると言える。
これが突発的にたまたま続いただけで、それ以前もそれ以後も奪三振が少なかったら
野茂の方が優秀だと思われるが、突発的な記録でなく則本はルーキーイヤーから継続して活躍し、
三振を獲れるピッチャーであることを証明しているので、二桁奪三振という記録も
人間が決めた区切り方ではあるものの、大きくとりあげてしかるべき記録ということになるとは思われる。