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WBCこぼれ話Ⅳ

決勝のアメリカ戦、先制された直後の先頭打者・村上に対して初球をど真ん中にツーシームは

明らかな失投だ。

なぜ、あの球をあそこへ投げたのが不思議でならない。

 

岡本は前日にレフトフェンスを越えていた打球を捕られている。

左ピッチャーの中に入ってくるスライダーだった。

そこで左ピッチャーに代わったところでの、このアメリカ戦もチャンスだ、と思ったところ

その通りホームランとなった。

 

この試合、アメリカのホームランは左の今永から右打者が、右のダルビッシュから左打者が、

日本のホームランは村上が右ピッチャーから、岡本が左ピッチャーから打ったものだ。

野球はゆくゆくローテーションがなくなり、右打者に右ピッチャーを充て、左打者に左ピッチャーを充てる

ということになっていくだろう。

まして数試合しかしない国際戦はより顕著になる。

 

準決勝、メキシコ戦で大谷が最終回、一塁ベース手前でヘルメットを脱いだのは

おそらく三塁まで行ってやろう、という意識のあらわれだろう。

普段のシーズンで大谷は走塁に制限がある。

投げて、打って160試合活躍してもらうため、走るな、とされている。

負けたら終わりのこの試合ではそんなこと関係ない。

相手に少しでもスキがあれば三塁まで行ってやる気でヘルメットが邪魔だ、とばばかりに飛ばしたのだ。

 

そしてこの時のヒットもバットを短く持って、出塁すると伝えて打席に立った。

出塁することに執念を燃やし、勝つことにこだわったから、ヘルメットを飛ばし、塁上で興奮していたのだ。

大谷は他のプレーヤーと次元が違うから何をやっても楽しんでやれる。

良い結果を出すために最善を尽くす必要がないところまで来てしまっている。

 

だから何をやってもトータルで見るとうまくいく。

瞬間、瞬間では三振したり、ホームランを打たれたり、とあってももう少し長く見ると必ずチームに貢献する。

最高の状態ででなくても人よりはうまくいくのだ。

この時のヒットも見逃せばボールだったろうし、あの球を引っ張っても本来はあまり良い結果を生まない。

それでも次元が違うから強引に打ちに行っても、ヒットになってしまうのだ。

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