健大高崎の優勝を祝う地元の号外には大きく「日本一」とある。
地元に帰った健大高崎を迎える横断幕にも「祝!全国制覇紫紺の優勝旗群馬の地に!」とあったそうだ。
この場では何度か記してきたが、センバツ優勝は全国制覇ではない。
監督も「高崎から日本一」をスローガンにやってきた、と甲子園のインタビューでも言っていたし、
この地元お祝いの場でも言っていて、それが実現した、と口にしているようだ。
監督も認識を誤っている。
というより、ほとんどの人が認識を誤っているだろう。
主催者側であり、古くから高校野球を伝えてきたNHKは提供する側だから当然、
全国制覇のことばは使わない。
全国制覇でない理由はセンバツは、選抜されたチームで行われる大会であり、全国の代表、
つまり47都道府県の代表が集う大会でないからだ。
秋の地方大会を参考に選ばれたチームなので地方大会で負けを喫しているチームも数多くいる。
健大高崎は、群馬大会は制しているものの、関東大会では敗れている。
これに対し夏は各都道府県でトーナメント大会を実施し、そのチャンピオンが甲子園に集い、
その夏、唯一負けなかったチームが優勝となるから、まさに全国制覇なのだ。
地方大会を制したチームが何らかの理由で夏の甲子園を辞退し、次点のチームが
出場し、そのチームが優勝して全国制覇の称号を得てしまう例外の可能性はあるものの、
大会自体は参加数千チームのチャンピオンを決めるものだ。
春はセンバツ大会であり、それは春の甲子園優勝であり、
だから全国制覇ではないし、日本一という位置づけでもないのだ。