人類最速はボルトと認識されている。
ボルトは2メートル近くの大男で一歩が他のスプリンターより大きいはず。
だから、走る前から勝利に近い。
一昔前はあまりに長身(190以上くらい)だと
100Mには不向きと言われていた。
スタートがどうしても加速できず、
また
速さを競う100Mでは大きな体を自在に使いきれないからということだ。
しかし、大きい体は、歩幅を広げられるメリットがあるので
筋骨隆々の黒人にとっては
その大きい体を使う機能がそなわっていることから
こちらの方が移動タイムを縮められる。
ボルトは最速というイメージではなく
100Mを移動することに一番優れているというイメージだ。
100Mが陸上の華とされ
この距離の世界王者に最速の称号が贈られる。
しかし、人間が止まった状態から走りだし
最高速度に達するのは40~60Mといわれている。
その後は減速するのだ。
ボルトのような後半追い込み型と呼ばれる選手も
実は、減速しており、その減速が他の選手より少なくできるため
他の選手を離し、もしくは追い上げ伸びているように見えるのだ。
競馬もそう。
後半追い込み型の馬が後方から一気に他馬を抜いていくのも
体力を温存した後方の馬が、先行して減速した馬を
自分も減速しながらも追い抜くので伸びているように見え、
実況でも「強烈な末脚」、「ものすごい伸び脚」などと表現するため
このような印象を与える。
またジョッキーもスタート直後はあまり鞭を使った派手なアクションはおこさない。
最後の直線はどのジョッキーも鞭を使い、手綱をしごき、馬を鼓舞するが、
どんどん退いていく馬、先頭に迫る馬、他馬を引き離す馬が出てくるため
後半の方に爆発させたような印象を与えるが、実は、
どの馬もスタートしてから序盤の方がタイムは速いのだ。
では人類最速という表現に100Mがふさわしいのか。
またつづけよう。