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箱根の山は天下の剣

青学の圧勝となった今年の箱根駅伝。

 

今年は2区で、城西大の村山が8人抜きを演じた。

それでも区間賞ではなく、区間2位だったようだ。

 

城西大は、チームとしては上位に食い込む力がないので

下位でタスキを受けることになり、

それでも村山は大学界ではトップクラスの実力があるため、

ごぼう抜きを演じて

区間賞でなくとも目立つことになる。

 

そしてこの○人抜きというのは2区と5区でしか起こらない。

 

その理由は、

1区では当然、○人抜きというのはあり得ない。

全員が同時にスタートするのだから。

 

そして2区。

2区は「花の2区」と言われるほど、各校のエースが走る区間だ。

理由は、距離が長いから。

 

最強のマラソンランナー・瀬古は

早稲田のエースとして1年生から4年生までの4年間、

この2区を走った。

 

1区ではトップから最下位までさほど差は開かない。

そりゃそうだ。

まだ一人しか走っていないのだから。

 

すると2区では差がない各校のエースが長い距離を走ることにより、

今回の城西大村山のように実力がありながら下位でタスキを受けると

ごぼう抜きという現象が起こる。

 

そして5区。

5区は山登り。

箱根の山を登るわけだ。

 

最近、この山登りで驚異的な記録を生み出すランナーは、

「山の神」と称される。

 

今回の青学・神野も驚異的な記録で走り、その苗字からもピッタリの

「新・山の神」を襲名した。

 

その5区は山を登るので当然、走破するには時間がかかる。

 

そして時間がかかるうえ、

山を登るという平地より体力がいる区間であるため、

その時の調子の良し悪しや実力で差が大きく開いてしまう。

故に、ごぼう抜きという現象が起こりえる。

 

今年はこの5区の距離が延びたそうだ。

 

最近は5区にエースの働きをする選手を配置する。

 

時間がかかるこの区間を実力がある選手が走れば

それだけ全体のタイムに影響をきたすという発想からだ。

 

そして今回、距離が延びたことでさらにこの傾向は強くなった。

 

以前は2区にエースを配置し、

5区はスピードのない選手が走る区間だった。

 

スピードがないとは、

平地でのタイム短縮が見込めない速さの能力に劣るということを意味する。

 

その分、スピードがなくとも体力で山を走破できる選手を配置していた。

 

ところが、

今はスピードもあるエースが、

この区間を走ることで優勝に近づこうとする戦略が主流となった。

 

各校のエースというのは、

その後の日本の長距離界でも活躍が見込める選手が多くいる。

 

その選手が山登りを任されることになれば、

普段から山登りの練習が必要になってくるはずだ。

 

すると

山を登るなどという設定がない国際競技に対応する力がつくのだろうか。

という疑問がわいてくる。

 

一番、成長が見込める20歳前後に山登りの練習をすることが

果たして将来、吉とでるのであろうか。

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