厚底でクッションの効いたシューズによる陸上ロードレースでのタイムの極端な伸びに
疑問を抱いているのは選手自身でも多い。
勝手に足が前に出る、と表現する選手もいるくらいだ。
これの是非について、擁護する人の中に選手の足の保護も含んでいるのだから、ということを言っている
弁士がいた。
コメンテーターという立場で、社会的に地位があり、言葉を生業としているこの氏の見識には驚いた。
レースにおいて足の保護は全く、考慮に関係ない。
足の保護をその理由の一つに挙げて、それでタイムが縮まるクッションをOKとしたら
ホッピングシューズでもいいということになる。
さすがにホッピングシューズは陸上競技ではない、ということになるはずだから
どこかに規制を設けなければいけないわけだ。
厚底という、明らかにタイムが縮まっている現状を見れば、規制を入れる向きになるのは当たり前で
そこに足の保護は考慮に入らない。
足の保護は足の保護で開発し、それによりタイムが伸び、縮んでしまうのなら、そこはあきらめなければいけないし、
違う方法での研究を続けなければいけない。
目的は肉体による勝負を計るということだからだ。
また、アスリートは体の限界、ギリギリのところで勝負することが宿命であり、ケガは隣りあわせなのは
誰でも覚悟しているものだ。
よく、スポーツ選手をケガさえなければすごい選手になっていただろう、という言い方をするが
ケガをするかもしれないけれど、そこまで肉体を鍛えなければ高みに到達しないから
やらなければならない。
そこで、ケガをしてしまったのならそれは、その選手の能力であり、すごい実績を残した選手でもケガを抱えてやっている。
不慮の事故によるケガでなければ、選手の宿命の範疇となり、そもそも無傷で過ごす選手などプロにはいない。
全ての選手がどこか体の不安を抱えている。
次回へ。
https://twitter.com/yakyucolumn