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見過ごされる中継プレーが試合を決める

今夏の甲子園、習志野-沖縄尚学。

決勝点は、ランナー2塁から前進守備のセンターの頭を越える長打だった。

中継に入ったセカンドがサードへ放った時には既にランナーはサードへと

到達し、ホームへ突っ込んでいた。

バックホームしていれば、タイミングとしてはアウトだった。

本来は、ランナーの方のミスなのに、中継プレーを誤り、助けてしまった。

 

このケース、ランナー2塁で外野の頭を抜けたのだから、2塁ランナーは楽に

ホームに還ってくると普通は思う。

だから、セカンドは1点を諦めて、打者走者の3進を防ごうと3塁に投げたのであろうか。

中継プレーのミスと言い切れないとはいえ、相手の走塁がうまくない時に

中継に入った選手がランナーの動きを把握できていれば、と思うがそれも難しいか。

あとは、声の連携となるのだが、大観衆の声にかき消され、中々、それも難しい。

沖縄尚学としては仕方がないプレーだったのかもしれない。

 

このプレーは冷静に振り返ると、仕方のないものだったという判断はできる。

だが、甲子園に出るようなチームでも、中継プレーが鍛えられていないという

印象を毎年受ける。

 

特に目立つのが、カットの頭に返球しない外野手だ。

カットの頭に投げないから後ろのランナーを進塁させてしまう。

晴れの舞台で1点もやりたくない、思い切ってプレーしたい、焦りもある、

という状況なのはわかるが、日頃から中継プレーは、打つことやゴロを捌くのと

同じだけ大事にして確認した方がいい。

ランナーが詰まっているなら、中継に入った内野手の頭を越えるような返球を

しても大事には至らないからまあいい。

 

しかし、間に合わないのにダイレクト返球したり、1人で刺そうとしたり、

それが逸れることで、1点やるだけにとどまらず、後ろの走者の進塁を許し、その後

さらに失点するというシーンを何度も目にする。

 

とにかくこの試合に向けて打ち込みをしてきたといったようなコメントを

よく聞くが、勝ち抜いていくために、一つ敗ければ終わりの高校野球は

接戦や大事なところでは、こういうところが試合を決める。

 

打つことは水物3割だが、中継プレーは鍛錬と徹底でできることだ。

初めから想定できることなので日頃から鍛え、できるプレーとしてつぶしておくこと。

チームでそこは徹底事項として戒めておくこと。

 

このワンプレーが逆転、大量失点へとつながる。

 

打たれたこと、エラーしたことばかりが印象に残るが、

中継プレーをできないことも試合を決定づけるエラーだ。

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