村上の5打席連発は見事の一方で、ピッチャーが情けないとも言える。
プロのピッチャーともあろうものが、球場全体、全員がホームランを意識している場面で
ホームランを打たれるような球を投げるのが情けないということになる。
5発目はタイミングを抜いていながら拾われた形だが、4発目はカーブがど真ん中。
右ピッチャーなのだから、ホームランの確率は上がると思えば、ど真ん中には投げない。
甲子園では左ピッチャーから2発放っているが、左ピッチャーは村上を抑えるために起用されているから
勝負に行く。
そこを打ったのは村上が見事だったが、3発目はやはり右ピッチャーがカーブを真ん中高めに放っている。
5発のうち、プロのピッチャーとしては情けない投球が多々あったということだ。
ストライクを投げるから打たれる。
そして、どうしても勝負に行かなければいけないという場面でないものがいくつかあるのに
ストライクを投げるから打たれる。
村上には三冠王が話題になってきた。
ホームランと打点は、すでに当確と言っていいほどの位置だが、難関は打率だ。
ホームランと打点は増える一方だが、打率は下がることがある。
しかもホームランを打てば自然、打点も一緒についてくる。
ホームランを打とうと思えば、どうしても打率は伸び切らない。
だからホームランと打点は一緒に狙えるが、打率は逆を行く可能性がある。
王も三冠王にはいつも打率が勝負になっていた。
落合はホームランを減らせば、4割打てると言った。
イチローは打率を落とせば、40発打てる、と言った。
村上はホームラン独走なので、三冠王を狙おうと思えば、どこかで打率に重心を移すかもしれない。
フォアボールを増やし、見極めるバッティングだ。
ただ、ホームラン量産しているのでホームランバッターとしてはホームランをできるだけ打ちたい、
と思うだろう。