ホームランは飛距離NO.1やパワーNO.1が必ずしもタイトルを獲るとは限らない。
パワーは絶対的に有利だし、飛距離を出すのに必要だ。
だから野球選手は一般人に比べ体が大きく、ウェイトトレーニングを取り入れる。
日本人は下半身も上半身も鍛えて、体を大きくし、飛距離を出そうとする。
外国の選手は上半身は鍛えても、下半身には無頓着だそう。
それは、100mそこそこを飛ばすのなら下半身まで鍛える必要がないという発想らしい。
これが150m飛ばさなきゃホームランにならないというのなら、下半身も鍛えるよ、だそう。
落合は入団当初よりどんどん体を大きくし、腹も出るほどになっていた。
ウェイトトレーニングをしない落合は、必要な筋肉は練習の中で身に着けるとしていた。
そして夫人からホームランを打っている選手はみんな大きいじゃない、との指摘に、
腹が出ても体重を増やすことを優先して、飛距離を出そうとした。
腹が出ることになれば機敏さは失われるはずだが、それを捨ててもホームランが打てる打者を目指し、
ホームランを打つことで選手としての価値を上げ、チームに貢献できる選手を目指した。
ホームランバッターとしての体の大きさには恵まれない落合がとった方法は飯をくったということと、
ホームランはフェンスを越えればいいという発想だ。
なにも、150m飛ばす必要はない。
外野フェンスの向こうに落とせばいいんだろ、ホームランはホームランだから、というもの。
これにより、あの独特の打法と技術に磨きをかけ、誰もマネできない3冠王・落合が誕生した。
だから、落合は現役を退き、評論家から中日監督になった頃は痩せた。
もう、飛距離を出す体はいらないから腹を引っ込めたわけだ。
落合は日本プロ野球史上最高のテクニシャンであり、最高の右打者だ。
そのテクニックにばかり注目されるものだが、体の大きさには恵まれなかったものの
ふくらはぎの大きさ、ふくらはぎの筋肉の質には恵まれた。
落合のふくらはぎは異常と言ってもいいほど発達している。
ユニフォームの上からでも盛り上がったふくらはぎがわかるほどで、惚れ惚れとさせられた。
これは王と共通する特徴だ。王もふくらはぎの大きさは有名。
これは娘にも遺伝し、ふくらはぎが大きくて王理恵はいやだったそうで、
お父さんのせいでこんな大きなふくらはぎになっちゃった、だそう。
キャッチャーの位置から多くの打者を観察してきた谷繁は、
ふくらはぎが発達している選手は例外なく飛距離を出す、と言っている。