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続・続・この夏、目にしたおもしろいプレーの数々。チーム作りに影響をあたえる。

一昨日と昨日につづき、印象に残る数々のプレーの中で、今後のチーム作りに役立つものを挙げるとする。

 

秀岳館-常総学院。3回裏、秀岳館二盗成功の場面。打者が空振りしたあとホームベースをまたぐ格好になった。常総の捕手は主審に守備妨害ではと確認しているようだった。常総はこういうところも選手各人が細かい野球をする。さらに6回の失点の際もランナーがホームベースを踏んだか指さし確認。

 

その3回の秀岳館の二盗への守備妨害確認。
送球がまともに行っているので守備妨害はとってくれない。これが送球がとんでもない方向へ行ったり、打者にぶつかりに行き、投げられないフリをすればとってくれるだろう。それもひとつの高度な技術。

 

秀岳館-北海の準決勝。格上の秀岳館に先制されたくない北海。先頭が3塁打。立ち上がりはどのピッチャーも難しい。1,3塁から2盗失敗。3塁走者もワイルドピッチに本塁アウト。0点に抑えた。この二つのプレーがとてつもなく大きかった。北海が初の決勝進出できたのもこの二つのプレーと言える。総合力では、秀岳館の方が上だっただろう。最も難しい立ち上がりを凌いだことで接戦に持ち込めた。秀岳館としては、リードされる展開で焦りもあったろう。北海のショートは、今大会最もうまいと思える守備力。

 

準決勝ではこれまで連投してきた作新・今井、明徳・中野、北海・大西と皆、立ち上がりが悪かった。たたでさえ立ち上がりの調子をつかむことは難しい上、疲労が重なっている。トーナメントを勝ち上がるのは連戦の立ち上がりが最も大事となってくる。チーム作りは、ここを重要視すべし。

 

日本代表に清宮の名はなかった。新チームが始動し、秋季大会が目の前のこの時期キャプテン不在となると早実は困る。日本代表漏れの清宮は昨年の悔し涙の借り、アメリカに勝つリベンジはお預けとなった。東京のピッチャーを打つより経験のない球を投げてくる海外のピッチャーの球を打つ方が日本野球の将来には有益とも思える。ただ、今回はアメリカはいないので、国際試合での経験が有益とも限らない。有限の高校野球でキャプテンとしてチームを引っ張る経験は人生の中ではとても濃い時間で野球の技術の向上同様、有益な時間。人間の器を大きくし、考えること、感情を豊かにすることは技術の向上にも生きてくる。

作新・今井は投げるまでに球種がわかる癖があった。癖を見抜くことも戦略のひとつ。プロでもこんなことがあったそうだ。

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外野の後方に飛んだ打球に対して目を切って追える外野手は予選レベルでは、まずお目にかかれない。甲子園に進んでもほとんどいない。日ごろから捕ることより、目を切って追う練習を重ね、失敗を経験し、最後の夏にはフライに対して余裕をもって追える実力をつけたい。対して、内野はフライが高く上がる。見ながら追っても上から落下する。外野は遠くへ向かって飛んでいく。追いつけると思った打球がさらにその先へ行くことがよくある。だから、見ないで落下点と思われるさらにその先まで飛んでいく可能性を頭に入れて、先を目指して全力疾走して、落ちてくるだろう時間にボールを見つめ直す。これが外野手の技術。

 

また、外野手の返球が悪い。ランナーが回っていないのに山なりの返球をしている。カットまで返すことをしないと勝負どころのミスにつながる。どんな状況でも内野の頭の高さに投げること、そして1点をあきらめてでも後ろのランナーを先の塁にやらないということが大事な場面がある。これを怠ると一方的な試合になりかねない。勝負は一つの塁をやらないということ。一つの塁が結果、試合の大差につながる。

 

そして、無駄な走塁も相変わらず目にする。各地方大会から甲子園に至るまで、大差の試合終盤でわざわざ1点とるためにホームへ突っ込む愚行。東京予選では、試合終盤6点差でランナーが飛び出し、狭殺というプレーもあった。日頃、練習しているのだろうか。何が起きるか、何をすべきか常に予想していれば、こんな走塁はしない。

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