準決勝の下関国際VS近江では終盤、下関国際は連続スクイズで加点し、近江の戦意を喪失させた。
この時のスクイズはどちらも三塁ランナーがスタートしてのいわゆるオーソドックスなスクイズだった。
最近はサーフティスクイズなる作戦が特に高校野球では常套手段にまでなっている。
チームによってはスクイズをするにしてもセーフティスクイズしかしない、というチームもある。
オーソドックスと表現したスクイズとセーフティスクイズの違いは三塁ランナーが
バットに当たる前にスタートを切っているかどうかだ。
転がったのを見てからスタートを切るものをセーフティスクイズと言う。
三塁ランナーがスタートを切る場合に大事なのは打者がしっかりと転がすこと。
そのためにはバットにちゃんと当たるのを確認するほど慎重に転がす。
ストライクコースに来たら確実に転がすことを使命とされ、多少のボールでもフライはいかんとされ、
もし、バッテリーに外されたら、飛びついてでもバットに当てなければいけない。
最悪、外されようなら転がらなくともファールにだけはしようとする。
打席から飛び出すほどに投球に食らいつく。
それは、三塁ランナーがスタートしているのでバットに当てなければ、最も大事なランナーを失うからだ。
それに対してセーフティスクイズは、転がってからランナーはスタートを切るので
ギャンブル要素を排除したものだ。
外されても三塁ランナーがスタートしていないので打者はバット引っ込めていい。
飛びつく必要がない。
外されなくてもボール球ならバットを引っ込めていい。
だからセーフティ、つまり安全にランナーを死なせないというスクイズとなる。
安全とは言いながら転がってからスタートを切るのでホームで刺される可能性は高くなる。
また、三塁ランナーが自重すれば、打者がひとつのアウトを献上することになり、
点が入らずアウトカウントだけ増えるというリスクがある。
ところで、スクイズと言うものはどちらの場合でも無死か一死から敢行するものだ。
スクイズは打者がアウトになってもいいから1点をとるという作戦だから、二死からでは意味がない。
ところが、以前ある大きな試合で見せた三塁にランナーを置いてのスクイズが二死からなのに
スクイズという表現を使われたことがある。
明日へ。