タイブレークが常態となり、知見を広げてきた各チームはそれぞれの戦略を練るようになった。
タイブレークは裏の攻撃が有利だ。
それは、延長戦全般がそうなのだが、特にタイブレークは
相手の攻撃の結果を受けて作戦をたてられるので、かなり戦いやすい。
ここで仮に、表の攻撃で3点が入ったとしよう。
その裏の攻撃で、高校野球では放送席の実況と解説と呼ばれる人たちが、バントはあるか、
と話していることがある。
通常3点差でランナー2人なら送りバントはない。
送りバントというのはアウトを献上して、ランナーを進める作戦であり、進めたランナーを
還すというものだから、この場合は2点を獲る作戦という事になる。
2点では1点足りないから、勝負には負ける。
だから最低3点獲るために、送りバントはしないものだ。
だが、チーム事情によっては送りバントもあるだろう。
まずは2点を獲って、そのあとの打順は期待ができるから、一死、もしくは二死から
1点を獲ることに賭けるというものだ。
もしくは、後続に長打を期待できる打者がいれば、そいつの打撃に賭けるため、
その前に2点獲っておこう、あるいはとにかくつなぐためにゲッツーを避けたい、と考えるわけだ。
ここまではチーム事情や打順であり得る作戦だ。
では、4点差となったらどうだろう。
タイブレークでは一イニング4点というのも確率で言えば、通常イニングよりはるかに高い。
タイブレークでは点を獲って獲り返してというゲームも珍しくない。
それでも、4点となると通常イニングの2点と同等と考えられる。
二人のランナーを送って2点を獲ってからの4点となると、
アウトカウントが増えてしまっている分、それ以上の難儀となると考えられる。
ということは、タイブレークと言えど4点獲ることはその時の展開による、と言えるだろう。
明日へ。