佐々木の降板が思ったほど話題にならなかったように思われる。
話題というのは投げさせないことへの非難ということだが、落合が山井を降板させたときは
落合だからこういうことができる、落合ならやっても不思議でない、
落合ほどの実績がある人に文句を言い切れない、というのがあった。
佐々木降板を納得する理由は3つ考えられる。
ひとつは世間の風潮だ。
野球に限らずポピュリズムが流行の今、壊れてしまいかねない使い方を強要したら、
記録よりケガの心配という論調の方が強くなるから降板に残念、落胆の人も沈静させられた。
特に野球評論家と呼ばれる元プロ野球選手がこの件に限らず世間からの反発を恐れて発言に慎重になっている。
保守に、安全に、偏った言い方はせず、波風立たない言い回しと、断言しない立ち位置をする。
その影響が世間にも広がっている。
ふたつめはこれまでの過程だ。
佐々木は甲子園出場をかけた岩手県予選の決勝で登板を回避している。
ロッテも入団してから長く登板させず、練習で打者相手に登板することですら話題になるほどだった。
1軍で戦力になるレベルになっているのに目先の勝利より大事に育てるため登板しては
登録抹消し、間隔を空ける使い方をしてきた。
今シーズンも今のところ中6日だが、前半のうちにまた登録抹消する使い方をすると
ロッテ首脳陣は明言している。
大船渡高校の監督もロッテの首脳陣も大変な逸材、この宝をつぶすことだけはするわけにはいかないから
神経質になる。
勝利よりもケガをしないことが優先される特別待遇なのだ。
高校野球にも球数制限が導入される程、ピッチャーの肩、肘に対してのケアについては
世間にも浸透したので佐々木の降板に対しても理解が得られ、2試合連続完全試合などという
野球における最高で、あり得ないとも言える偉業を反故にしても受け入れられるのだ。
3つ目については明日へ続けよう。
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