日本人が2年連続でホームラン王になる時代がやって来た。
時代と言うより、突飛な才能のおかげだが、日本人がホームランで対抗する姿を
想像するには、時期が早かった。
良い勝負を繰り返す数人が出てきてから、やっと栄冠をつかむという軌跡ではなく
突然、世界一の飛ばし屋が現れてしまった。
イチロー登場の時とよく似ている。
イチロー登場はまさに、彗星のごとく、という言葉がぴったりの衝撃を受けた。
20歳の若者が、今まで見たこともない打ち方で、それまでの歴戦の強者をあっという間に追い越して行った。
その輝きはアメリカへ行っても明るさを増し、野手として、
打者としてアメリカでレギュラー選手を見たいという日本人の希望を
一気に首位打者という専売特許で現実にし、そこだけにとどまらず、さらに夢心地へと誘った。
「からあげ食べてうまいと言っているよりイチローを見てすごいと言っている方が多い」
というザキヤマの名言は、そのまま大谷へ移行した。
40‐40から50‐50へと注目され、その後は三冠王も、と。
50‐50が史上初なのでそちらに注目を譲ったが、三冠王が視野に入る状況なら
そこへ集中してよさそうなものだった。
打者としての最強の称号はトリプルクラウンのはずだったのに。
三冠王が消滅した途端、ちょこっとトリプルスリーが報道されていた。
50-50と三冠が話題になった後だけにトリプルスリーは今さら、という感が強い。
トリプルスリーさえ、インパクトとさせないまぶしい大谷。