野球でピッチャーは守備に属する。
その守備に属するピッチャーをエースという。
守備に属する選手をエースと呼ぶのは野球だけだ。
他のスポーツのエースと呼ばれる選手は皆、得点能力が高い選手のことを言う。
攻撃の選手をエースと言うのに対して、野球だけは点をやらない選手をエースと言う。
ただピッチャーは自分の意志をボールに伝えることができる。
ピッチャーが投じることからプレーがはじまり、打者を抑えるのに自分から策を講じることができる。
これは打者に対して攻撃していると言う方があっているようにも思われる。
佐々木のパーフェクトピッチングは点をやらないための守りというよりは打者をねじ伏せる
攻撃といった印象だ。
そういう意味ではルール上得点を許さない行為だから守備とされるが、ピッチャーが打者を
抑えることが得点というルールだったらまさにピッチャーは攻撃の要のエースだ。
打者はピッチャーの球に対応してバットを操作するので自分の意志だけでない。
それを攻撃と言い、ピッチャーは自分の意志をボールに込めて打者を抑えるのに
攻撃とは言わない。
一方でピッチャーの指先を離れた瞬間、今度は打者のバット操作に合わせて
ピッチャーを含めた野手9人が守勢に転じる。
こうして攻守が瞬間、瞬間で替わる。
明日へ続く。