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アマチュアの思考とプロの思考

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プロの世界は、それは仕事であり、生計を立てる手段であるので

自分の働きということに最も注力するところではある。

一方でチーム勝負なので個人ばかりを考えては本来うまく機能しないはず。

国際戦には優勝以外の目的はない。

イチローは生涯において優勝回数は少なかった。

日本プロ野球史上最高傑作でありながら日本一は一度。

海外ではプレーオフに一度出場しただけ。

それでも多くの人の心を惹きつけた。

本人も目標は200安打を代表するように個人の記録ばかりを聞いた。

チームが優勝できるほどでないと思っていたからかもしれないが、

優勝を意識していた発言で印象深いのは阪神大震災が起き、がんばろう神戸を合言葉として優勝した時くらい。

WBCは個人の記録など全く関係ないからチームの勝利以外、誰もこだわらない。

チームが勝つのなら喜んで裏方にも回るし、日頃と違うポジションもやる。

現にイチローの言動は普段とは全く違うもので、味方の活躍に大喜びし、自らバントを見せ、

結果が出なければスタメンから外れることも辞さなかった。

代表戦は誰もがチームの勝利の事しか考えないからだ。

勝つこと以外に興味がない。

だからどの選手も味方の選手の活躍に喜び、それにより戦況が良くなることに安心する。

ペナントレースとは違ってくるわけだ。

野茂は海外に渡った後、目標を聞かれるといつもワールドシリーズ出場と応えていた。

この目標は一人では達成できない。

ワールドシリーズに出場するということは当然、シーズン中も自分が活躍することが前提ではある。

そうしないとチームがワールドシリーズへ進出しても出場できないわけだし、

自分がシーズンで活躍しなければそこまで行けないということも含まれていたかもしれないから。

それでも個人の記録を口にしたことを聞いた記憶がない。

チームスポーツとしてはこれが真の姿勢だろう。

しかし、野茂ほどの実力があるから言えることばとも言える。

一流選手だから全体の事を発言できるわけで、使われなくなるのが明日やもしれない選手からは

こんな言葉は出ようがない。

そういう選手はやはり自分が生き残ることしか考えられないはずだ。

それは仕方がないこと。

一流で言えば野村が引退した理由の一つに味方の失敗を願ってしまったということがあると聞いたことがある。

西武で過ごした晩年、出場機会も減りつつある中、自分が出場するために味方の失敗を願ってしまった。

チームスポーツとしてあるまじき行為だと自責の念にかられたそう。

監督も務め、しかもキャッチャーというポジションで

最もチーム全体の事を考える立場として生きてきた選手が力の衰えにより、

そういう思考に陥ったことは身を退くべきときと思ったのだろう。

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