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剣士たるもの 横綱の品格

横綱・白鵬が豪栄道の首投げに屈した一番で

ものいいがつかないことに不満なのか、礼をしないことに

苦言を呈した。

 

相手を撲ると書いて相撲だが

力士は相撲を取ればいいのではない。

相撲をとることが相撲ではない。

 

そんな中こんな記事を目にした。

 

剣道からKENDOへ 世界大会で見せた日本の心

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO87539520R00C15A6000000/?df=3

 

すごくいい話だ。

剣道の精神を実践する諸外国の剣士の姿勢と

礼節をなによりも優先した日本の女性剣士。

 

さらに剣道精神が希薄化することは避けたい

という全日本剣道連盟の姿勢。

 

来場者にまで禁止事項を設け、

その来場者も安易な国際化や普及を迎合しない姿勢。

 

どれも伝統を大切にしている。

 

この記事にある

日本の女子主将剣士の振る舞いがいい。

 

記者たちの写真要請にも指導者への挨拶を優先させた。

剣道の伝統と”道”の部分を優先したののだと私は理解した。

 

それでも、記者たちへの配慮も忘れていないことも素敵だ。

 

「すみません」と明るく答えながら指導者のもとに駆け寄った。とある。

 

剣道はスポーツではない。

剣による競技を人の道にまで発展させた人生と一体のものだ。

 

日本における競技は皆そうだ。

日本にはもともとスポーツという概念がない。

 

相撲、柔道、剣道とみな、人生に反映させる。

茶道、華道、書道といったものもきっとそうであろう。

 

だからこそ、

この記事にある五輪種目入りに関して全日本剣道連盟は、

精神の希薄につながるかもしれないため、積極的でなく、

その姿勢を誇りに思っているのだろう。

 

そして、来場した人も賛同している。

 

すばらしい。その通りだ。

 

剣道や柔道はオリンピック種目にふさわしくない。

野球やサッカーもふさわしくない。

 

野球やサッカーがふさわしくない理由は、剣道や柔道とは

少し意味合いが違うことは以前に触れた。

 

スポーツではない剣道や柔道が五輪種目になる必要はない。

 

他のスポーツと同列な印象を与え、

勝ち負けばかりに目が行くようになっては

失うものがでてくる。

 

そして、金メダルやら銀メダルやら俗な考えに縛られるように

なっては本来もっている価値を傷つける。

 

世界選手権が開催され、その競技独自の国際化が図ることができれば

十分だ。

 

競技者は最も注目の集まる五輪種目になれば

モチベーションも技術も上がっていき、それを望むだろう。

 

しかし、そのおかげで本来のその競技がもつ意味を失っては

存在意義がなくなる。

 

この剣士も連盟も来場者も同様の考えをもっているのだと

理解した。

 

そして敗れた韓国剣士の態度は潔く、作法も美しかったとある。

 

これらを聞いただけで

剣道には全くかかわったことがない私も一度、

その空間を味わいたいと思わされる。

 

また、

この精神が大事にされることを希う。

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