今回、イチローが、ローズ越えを果たしてからの初の試合での打席は代打となった。
イチロー熱が冷めない今は、その後の打席も注目される。
MLBでの3000本安打にも迫っているのでなおさらだ。
先日は、代打の打席でストレートの四球があった。
それを伝えるメディアは、
”イチロー代打もストレートの四球”
というものだった。
”代打も”の”も”がついているのだ。
この”も”の意味するところは、世界最高のヒットマンに対して、その打撃を見ようとしているファンの前で
フォアボールでがっかり。という意味が込められている。
そして、その後、球場ではストレートの四球、つまり一球もストライクが入らなかった四球に対して
ブーイングが起きたと伝えている。
四球は勝負に行っていないという古くからの観念があり、
そのようなプレーが起きた場合には、ブーイングで非難するという意味がある。
ただ、ブーイングは海外の球場ではひとつの慣習であり文化のようなもの。
さほど、意味をもつ行為ではなくなっている。
ブーイングを与えることでその敵の投手にプレッシャーを与え、
自チームに有利な作用を与えようとするために本拠地のファンが行う。
つまり「代打”も”四球」と表現する日本のメディアの捉え方、ま
たブーイングが起きたことに対する日本のメディアの伝え方は
イチローがヒットするか凡打するかに重点がおかれ、そして現地もそういう見方をしている
と言っているかのようだ。
チームの勝利が最優先されるのだ。
イチローは代打に出て行き、四球を選んだ。
状況や場面がどういったものかは知らないが、その後、三-本間で狭殺されていることから
点をとりたい場面だったのだろう。
そういう状況で四球を選んだ打席には、ヒットを打つと同等以上の価値がある。
”イチロー代打も四球”などと表現するような打席だったわけでは無い。
”イチロー代打で四球を勝ち取る”という打席だ。
全ての攻撃の行為はホームベースをいかに踏むかのためにある。
ヒットを打つことはそのうちのひとつの手段に過ぎない。四球は往々にしてヒットより価値がある。