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履正社初優勝 大阪は桑田清原のPL85年以来、決勝負けなし

初回、ランナー3塁での井上三振の球は高いだろう。

対して星稜の2回1死2塁でのスライダーはボールだった。

 

履正社は先に点を獲っていきたい。

井上のホームランはスライダーが高めに浮いた。

ボール球だったが、外の高めの緩い球は一番手が伸びて一番ホームランにできるところだ。

完全に失投。

 

星稜としては拙攻が目立った。

仙台育英戦で長打爆発7打点の今井を外して2番に置いた元々レギュラーの有松が

レフトへのヒットに何を見間違ったか2塁まで進んでしまい刺される走塁ミスで拙攻。

その後、2死2塁としてファールで粘る3番知田が最後は顔の高さのボール球を

振ってしまった。

4回内野安打で出た内山を送らなかった。

4,5,6番と右が続く星稜打線はここは打って行ってもいい場面だ。

ところが、5番大高は打ち上げてしまった。

結果2死1,2塁までして、やはり右バッターの奥川は甘い球を打ち上げた。

5回は走りたい場面で1塁ランナーが牽制に飛び出した。

ここは勝負の場面なので、ランナーの気持ちはわかるし、ミスとも言い切れない。

ただ、星稜の攻めがうまくいかない。焦ってくる。

6回先頭をヒットで出し、1死1,2塁から6番福本はワンストライクスリーボールとした。

ストライクが欲しいピッチャーにストレート一本で思い切って行ける場面で

おあつらえ向きの外目ストライクが来た。

よしっとばかりに打ちに行ったが、先っぽに当たり最悪のピッチャーゴロゲッツー。

星稜は空回りの攻めが続いた。

 

7回先頭が出た星稜は、打者奥川で1塁ランナースタートのバントという形をとった。

結果はファールとなったが、このケース本当にバントエンドランだったのだろうか。

サインミスかもしれない。あるいは、1塁ランナーが行けると思って行ったか。

バントエンドランの作戦は考えにくいのだが。

 

7回同点とされて降板した清水はベンチで涙を見せていたようだった。

よくわかる。リードしていて、もうすぐで勝ちがつかめるところまで

きていたのに捕まり、ランナーを残して降板は悔しいだろう。

何度も拙攻を繰り返していた星稜だが、野球は9イニングを抑えるのが難しい。

しかし、仲間が取り返してくれた。

 

女房山瀬が奥川は調子よくなかったと言うように

奥川は途中から足を気にしているようだった。

9回5点目となるタイムリーは途中登板の岩崎だった。恐らく打撃力はさほど高くない。

井上に対するような慎重さが足りなかったか、

というよりもう、力が枯渇していたように見えた。限界だったのだろう。

力量のある星稜投手陣とは言え、ここで奥川を代える決断はできない。

 

この回を岩崎にタイムリーを浴びずに、1点でとどめておけば、

星稜は最終回の攻撃で先頭が出たところで、送りバントの作戦が可能だった。

これはタラレバだ。

 

最終回、奥川と井上はお互いに笑いながら対峙していた。

大舞台での最後の対戦を楽しんでいるようだった。

というより、ずっと2人は笑っていた。

 

大阪は桑田と清原最後の夏であった85年の優勝以来、決勝で負けなしだ。

ちなみにその前に敗けたのは、前年の84年PLが延長で桑田が8失点の取手二高戦。

また、大会通じて盗塁なしでの優勝は史上初だそうだ。

 

実力ある両チームのお互いの特徴が出た高校野球の頂点を決めるに相応しい試合だった。

奥川に勝って、全国制覇の目標を成就した履正社は見事。

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