涌井のノーヒットノーランはならなかった。
ノーヒットノーランは毎年、2,3度、達成されるものだ。
ノーヒットノーランは毎年数人出ることから話題は一過性のもので語り継がれない。
それなら、あと一人で逃したということを続けた方が、話題になるし、記憶にも記録にもなる。
西口が3度失敗して話題になっているように、ダルビッシュが数年前にパーフェクトを
あと1人、ノーヒットノーランもあと1人というところで逃した。
その際のダルビッシュのインタビューで「あと一人での未達成世界記録を作る」とユーモアたっぷりに宣言していた。
日本でパーフェクトとなると、26年前に槙原がやってから出ていない。
80年以上の日本のプロ野球の歴史でたった15人だ。
北米リーグでも1世紀半ほどの歴史の中でたった20数回。
単純計算で6年に1度くらいのペース。
年間2000試合で換算すると、昔は球団や試合数、いろいろ変わっているが、12,000試合に1度くらいのペースでしか
達成できない。
パーフェクトは運もなければできない。9イニングのうちで失投は必ずあるもの。
それでも打ち損じたり、バックに助けられたりしなければできない記録だ。
9イニング投げるうち失投は必ずあることからプロのピッチャーが高校生相手に投げてもパーフェクトは難しい。
パーフェクトに比べ、ノーヒットノーランはボール球を使えるのでピッチングの幅が広がる。
そして、野手もエラーは、許されるから思い切ったプレーを選択できる。
パーフェクトはエラーも許されないから、自分のことであるピッチャーよりも
人のことであるバックの方が気を遣い、緊張する。
このご時世なので、観客が少なく、鳴り物もないから涌井がセットに入ると、球場全体が
シーンとして、緊張感が増す。
大記録に固唾を飲む感じがして、すごく良かった。
34歳で3チーム目となった涌井にとって、1試合の大記録よりシース゛ンを通して貢献できることの方が大事だ。
ところで、ヒットを許した後、1塁にランナーが出たところで、ファーストがベースについていた。
6点差の9回でベースにつく必要はないのだが、1点獲られても一緒だから
何とか涌井に完封させるために、ランナーを引き付けようということだったのか。
ノーランをノーランナーだと思っている人は多い。
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