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大いなる野望で飲み込め

先日、清原がスポーツ番組に出演していた際に発言していた内容。

最近のプロ野球に足りないものは?の質問に。

「乱闘が少ない。」

 

清原ならではの返答なので、笑うところではあるのだが、

普段、私が思っていることを代弁しているように感じた。

 

乱闘が少ないことが不満なのではなく、各チームの選手が仲良しになってるんじゃないか。

プロの勝負を勘違いしている。と思う。

 

別の記事ではこんなものを目にした。

宮本が警笛

 

宮本も同じように思っているようだ。

 

プロの世界だから結果が出なかったり、チームに実力者が現れればすぐにクビをきられる世界だ。

そういう意味での緊張感や恐怖感はみな持っているだろう。

それならば、生き残るために、勝負に勝つためにもっと相手に噛み付いていくべき。

 

たしかに、両リーグで12チームしかなく、明日にもよそのチームに行くことがあったり、

クビになったとき拾ってもらうよう嫌われない行動をとるということが頭をよぎることもわかる。

引退後の仕事のことも考えるだろう。

 

先輩、後輩がはっきりした世界であり、

高校の先輩のチームと対戦するときは挨拶することが、慣例となっている狭い世界で生きていることもわかる。

 

日本のプロ野球選手は99パーセント以上高校野球を経験している。

 

私が知る限りこの序列がいやで高校中退→渡米の実績があるマック鈴木くらいしか、

異端児は思い浮かばない。

 

あとは

落合が入退部を繰り返していたそうだ。

 

日本の高校野球の伝統、慣習でいくと1年でも年齢が違えば、一生その先輩、後輩の関係が続き、

サッカーや他の部活とは一線を画す礼儀が存在する。

 

これは、日本古来の年配者を敬う道徳から来ていていいものだ。

 

プロの世界では同じチームだからといってここまでの先輩、後輩の関係はない慣例だ。

 

同じ高校出身の場合のみだ。

 

TBSのスポーツ番組で松井と槙原が対談するシーンをよく見かけたが、

松井は槙原を「マキさん」と呼び、時折、つっこんだり、ため口で話をする。

 

プロに入ってから知り合った場合これが許されるのだ。

 

また、元木は清原を「キヨさん」と呼び、和気あいあいと話したりじゃれたりする場面を目にした。

 

しかし、一方で、元木よりも球界で年上であり、PL学園で清原の後輩だった片岡や橋本あたりは

「元木がキヨさんなんて呼んでいるなんて信じられない」

「我々はとてもキヨさんなんて呼べない」

と発言している。

 

先日は緒方と前田智の熊本工業OBの対談を興味深く見たが、

ここでもやはり、前田は緒方に対して終始「先輩、先輩」とへりくだっており、

普段の前田には見られない姿と先輩に聞かれたからには応えなきゃいけないと冗舌になっていた。

緒方は対談中おもわず「お前」と呼んでいた。

 

この関係は度が過ぎなければ(大人になって度が過ぎるようなことになるわけないが)

ほほえましく、私は良い関係だと思う。

 

この辺が高校野球部の先輩後輩の関係なわけだ。

 

しかし、これは高校野球という世界での話。

 

プロになれば勝負の世界なのだから先輩、後輩なんて関係ないのだ。

そんなもん気にしていたらレベルは上がらない。

 

同じチームでなければ、いちいち挨拶や気を使うことすらしなくていい。

一般社会の先輩、後輩の関係や社会秩序とは一線を画す勝負の世界なのだ。

塁上でよく見かける笑いながらの会話など見苦しい。

 

日本代表やオールスターで敵のチームのプレーヤーが一緒にプレーしたり、

他チーム選手と会食、オフの交流(ゴルフ、食事、合同自主トレ)が、この馴れ合いを生んでいく。

 

ファンはチーム、選手、野球を応援している。

やってる側から人生を賭ける意気込みが伝わってこなければしらけるだけだ。

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