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ピッチャーの宿命

先日、田中が肘を壊しメスを入れることになることを受けて

ダルビッシュがあえてオールスターのインタビューという場を使い、

中4日の登板間隔にモノ申している。

 

ダル、もはや“メジャーのご意見番” 提起した「先発6人制」全米で議論沸騰 

 

高校野球を見ていると、ピッチャーが暑い中、一試合で150球以上投げ、

一大会の短い期間の中、数試合投げる姿を見ていると

大丈夫かと本当に心配になる。

そんなに投げさせないでくれと言いたくなってしまう。

 

しかし高校生という、考えが未熟な時期であること。

2年4か月のすべてをこの瞬間にかけていること。

1度負ければ終わってしまうので、力のある選手に頼らざるを得ないこと。

使う監督も自分の評価、人生がかかっているので有能な選手を使いたくなってしまうこと。

いろいろな思惑が作用して危険を叫ばれながら止められないでいる。

 

ピッチャーの肩肘への負担は、

現在の野球に至っても、宿命であり、ここを異常なく選手生命を終えるという選手はいない。

野球における大きなテーマだ。

 

北米野球の常識は、ピッチャーへの肩肘にはとても敏感で

球数制限させたりしているものと思っていたのだが、手術を受ける選手が

日本の3倍以上いるというデータがあるそうだ。

 

キャンプでも日本よりブルペンでの投げ込みが極端に少ないはずだけど。

 

「数ある海外の常識、不文律は時代に合っていない、野球の変化に追いついていないものも目立つ。」

と、この記事にはあるが、

科学の根拠にもとづきトレーニングや起用を決めていると思っていたのに驚きだ。

 

昔の日本は、一度登板したら勝とうが負けようが完投が当たり前。

連投もしょっちゅう。

早々に何百勝もあげる一方、

20代引退という選手が多くいた。

 

MLBのピッチャーは感覚が鈍るから間隔を空けたくないというのと

いっぱい投げていっぱい稼ぎたいとう考えがあり、

中6日に反対する選手がいるそうだ。

 

ダルビッシュが提案する

「1年生は5回、2年は6回、3年は7回までとする」というのは、ひとつの案ではあるが、

付随する課題もあり、ひとつの解決策を同時に考えなければならない。

 

これにより、常に話題に上る越境入学など選手集めに拍車がかかる。

 

ピッチャーの枚数が今より数段必要になるから

さらにお金を投資するという決断ができる学校が選手を集め格差が広がることになる。

 

予算を割けるチームには勝てなくなり、毎年代表校が変わらなくなるだろう。

 

そうなるといい選手がばらけなくなるかもしれない。

 

すると全体のレベルが上がりにくくなり、日本の野球レベル自体が停滞をするかもしれない。

 

投手の球数制限は、チームづくりの根本が変わるということだ。

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