この出来事を見た瞬間、半分、黒田は演技が入っていると直感した。
その通り、チームの士気に関わるので戦う姿勢を見せたと言っている。
また威嚇の意味もある。
こうした方が相手が委縮するので自チームに有利に働くのだ。
これも計算づくだ。
プロならば、2球続けてあの球はない。
「お前はローテーションピッチャーだろ。」と藤浪に怒鳴ったそうだ。
どれも私が感じたことを全て代弁してくれている。
黒田の考えと私の考えはぴたり一致しており、爽快だ。
温厚な奴でも勝負をしているときは、気が立っている。
高揚し、ケンカ腰になるのだ。
そうでなければ勝てない。
反面あまりに頭に血が上るようだとまたマイナスだ。
普段、温厚な奴が勝負をしているとき豹変するのを何度も見てきた。
相手を食ってやるのが勝負の世界。
相手と笑ってしゃべっている場合ではない。
命を懸けて
蹴落とし、食いつき、引きずりおろしてやれ。
黒田は球界に蔓延する馴れ合いにも警笛を鳴らしている。
だいぶ前にこの場で述べたことと同じことを
黒田が言っているので、明日もう一度振り返る。