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過度の思いやり チームの戦略へ影響し、勝利から遠ざけるマスク拾い

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今年は神奈川で行われた高校野球秋季関東大会。

千葉2位の中央学院が、夏の全国覇者・花咲徳栄を初戦で敗って、覇権を握った。

埼玉は、2チームが敗れた。今夏、初めて深紅の大優勝旗がもたらされた埼玉だが、

センバツ出場チームがなくなった。

 

神奈川の高校野球はキャッチャーがマスクを脱ぎ捨てプレーした場合、

相手の打者が拾ってあげることをマナーとして推奨しているそうだ。

推奨というより、むしろ義務の方に近いそう。

 

目的は、スピードアップ。

また、高校野球が掲げる教育の一環としての礼儀、思いやりの育成ということがあろう。

 

これをやると確かに観ている側からすれば、相手へのおもいやりや配慮を感じ、悪い気はしないのだが、

高野連からの命として、

やらなきゃ、やらなきゃと無理矢理やらざるを得なくやっているように映る場面があり、

自然な姿に見えない。

 

教育は、命令して押さえつけてでも、やらせなきゃいけない場合があるものだろうが、

この行為はあくまで自主的に、自然な形で選手の行動となっていってほしい行為だ。

それは、落ちたマスクを拾うことにあまりにも意識が行き、

試合に対する集中がそがれるだろうにと感じる瞬間があるからだ。

 

マスクが落ちる度に、打者は拾う。それも自分の足元に落ちているなら、そりゃ拾うのも、当然だが、

わざわざ、自分の打席から遠いところにあるものまで歩いて行って、あるいは小走りに近寄り、

拾い上げる。

さらには、キャッチャーが打球を追いかけて行って、そのプレーが終わり、

キャッチャーズボックスに戻る途中に落ちているマスクにまで、打者が近づいて行き、拾い上げる。

キャッチャーが戻りながら拾う方が自然に思えるような場面だ。

 

このマスクを拾う行為が、21世紀枠の推薦に影響することもあるそうだ。

この行為をおざなりにしているチームは、評価が落ち、落選の憂き目を見ることもあるとか。

 

21世紀枠は、センバツに設けられた制度であり、センバツは、その名の通り選抜される大会だら、

それでいい。

21世紀枠というのは、おこぼれ枠だから、チームの勝利と関係ないこういったことが

選考対象になることは、問題ないとは思われる。

マスクを拾う行為が評価に影響することを問題視するなら、

21世紀枠そのものの存在の方が異議の対象になる。

 

マスクを拾うことに意識が行ってしまうと、試合に集中できない。

打席に立つ打者は、その1球が終わった後、次の戦法を考える。

ストライクだったら、ボールだったらファールだったら、変化球だったら、空振りだったら、

あらゆる状況で次にとるべき対応が異なってくる。

ヒットを打とうか、セーフティーでも仕掛けようか、球数をかけさせながら待球しようか、などと

思考を巡らせる。

 

戦略に考えを巡らせている最中に、マスクが目に入り、手を伸ばして拾ってあげるくらいなら、

良いだろうが、わざわざ小走りに近づいてまで拾い上げるとなると戦略の思考の邪魔になり、

それは、チームの試合運びへ影響し、勝利から遠ざけることになりかねない。

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