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この夏の神奈川大会、
桐蔭学園が3回戦で県立の大師高校に敗れ、握手を拒否したと話題になったことがあった。
こんなことはよくあることで握手を拒否するようなことは今に始まったことではない。
選手は最後の夏、高校野球が終わってしまったこの状況では興奮と落ち込みの境地にある。
そして拒否の精神がどこにあるのかも計り知れず、相手を恨む気持ちからの行動かどうかもわからない。
今は何でも情報が拡散してしまうため、こんな風潮になる。
プレーへの批評ではなく、プレーから離れたところで理想とされる姿勢を少しでもはみ出すと
たかが高校の部活動に対して、選手の、いち高校生の少年の精神まで蝕むほどの集中砲火となる。
この試合はダイジェストで見た限りだが、桐蔭学園不利の判定が目に付いた。
それに対する不満があったのだろう。俺たちは負けていない、と。
高校生の部活動の出来事を暴力行為や飲酒、犯罪でもないのに大騒ぎするなら、対象の立場を慮り
自身の立場を鑑みる一呼吸が必要となる。
普段は教育に関わっていない、見向きもしていないのにアマチュアのそれも高校生の部活動に
夏になった途端、ちょっと気にかかったことには外部から参加していい権利を突如手にしたかのよう。
やっている側からすれば、俺たちの活動にいちいち入り込んでくるなよ。
外部の者は観させてもらって、彼らの無償のドラマを楽しませてもらっている立場だ。
なんでも横一線に思っているから、その通り事が運ばないといやなのだろう。
高校野球は勝敗より高校野球らしさを見せるもの、
そしてこちらを感動させてくれなきゃだめと思っているのだろう。
私立の強豪、名門は上目線でいい。当然だ。野球にかけてきた濃度が違う。
そして外部が好む高校野球のドラマを作ってきたのは、
こういう名門校で野球を一生懸命やってきた名選手たちだ。その選手達にプライドがない方が困る。
そのプライドにぶつかっていく格下のチームという図式がさらに、高校野球ファンを喜ばせてきた。
格下チームはむしろ握手拒否くらいされた方が、勝った実感がある。
握手できないくらい、相手のプライドを逆立て、怒らせてやったという自負だ。
私立の強豪、名門はどんなに行っても、そうでない野球をやっていた奴と同列で語られたくないし、
プライドがあって当然。それでいい。
格下チームが強豪に一目置かれるようになるには恬淡と勝つしかない。
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