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清宮は、高校野球をやっている時間はもったいなかった

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高校野球は、そもそも高校生の部活動だ。

アマチュアの精神として高校生には平等に扱うということがある。

 

公式戦はくじで対戦相手を決めることになる。

これのために実力差がはっきりしていても対戦し、

清宮はフリーバッティングのようにホームランを打ってきた。

清宮ほどの将来、確実にプロへ行く選手は野球の実力を伸ばすことだけを考えれば、

高校野球をやっている時間はもったいなかった。

 

ただし、高校野球の技術より、そこで培った心の発達は、

高校野球でしか得られないものがあり、それが技術の向上にも役立つという面もある。

 

プロへ行くことが既定路線であるのだから、実力を伸ばすことだけを考えれば、

ホームランになりやすい球を多く打っていることは、得にならない。

それならば、飛び級として、プロの下部組織や育成で入団させたり、

違う次元の野球をやるアメリカなど世界の個性あるピッチャーを相手にした方が

本人にとっても日本の野球発展にも有効と考えるのが普通だ。

 

WBCで日本代表の各打者は、アメリカピッチャーに全くついて行けず敗れている。

そして、清宮が1年生の時の世界大会での決勝、アメリカ戦でも

日本の高校野球ではあまり見たことのない長身のピッチャーが投げおろす速くて動く球に

ついていくことができず、選手皆、戸惑っているようだった。

 

オコエが最初の打席、2度チェンジアップを空振りして

首を振りながら「だめだ。あんなの見たことない。」といったような表情で

ベンチの選手と話していた。

清宮は、満足できないバッティングに責任を感じ、泣いた。

 

だからこの気持ちを大事にさせ、

レベルの上がる相手に情熱を燃やした方が技術の向上になる。

プロに行く気があり、指名されるほどの実力があるなら

早いうちにプロの門をたたいた方が得策だろう。

 

特に、ピッチャーは消耗品なので、プロへ行く前に使い過ぎては実力が劣ってしまう。

よく、大学進学を決意し、4年間で成長したいという理由を聞くが、

4年間の成長より、肩、肘の消耗の方が懸念される。

その間に消耗してしまい、4年後には指名されないというリスクも大いにある。

4年間は長い。

 

指名からは漏れてしまったものの、

成長を見込めると思う選手が大学を選択するという方が自然だ。

ただ、高卒でプロ入りを判断しても、成長過程でクビを切られてしまうという現実がある。

これが、選択を躊躇させる理由となるのだろう。

 

だが、清宮の選択肢のひとつを聞き、

そうか。この手を使うか。という感想を持ったことがある。

その理由は、成長を求めてということでなく、最高レベルへ行く手段としたのだ。

つまり、プロへ行ってからでは球団や規則に制約され、MLBへの道が険しくなる。

特に、野手は消耗とはならないのでスムーズに最高レベル、最終目標を達成するには

むしろ、大学へ進むことが早道なのだ。今は、こういう時代になったわけだ。

 

逆に言うと、日本のシステムが選手の可能性を狭めていることになる。

この選択をする選手が増えると、日本の野球にも選手にも損なことが起きてしまう。

 

海外でのプレーを強く望む選手が増えれば、今の日本のシステムではプロ入りを回避し、

レベルも注目も落ちる大学やノンプロを一旦選択することになる。

選手としては、成長曲線が鈍る可能性があり、日本プロ野球には人材が枯渇し、

日本の最高レベルの野球の成長曲線が鈍る。

ファンは、最高の野球を楽しめないという悲劇にもなる。

 

可能性を求める選手に対し、

ファンがそれを後押しし、欲する仕組みのある フィールドオブドリームが、

日本のドラフト制度からFA制度を駆逐することとなった。

 

既存の枠組みや権益を破壊する動きが選手の技術の発達により、なされる傾向がみてとれる。

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