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野球の‟流れ“の正体は何だろう

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プロ野球中継でも高校野球でも普段の野球会話でも登場する「流れ」ということば。

特に、高校野球では何度となく耳にする「流れ」。

野球の本場・アメリカでもこの「流れ」を使うのだろうか。

 

これを、明解してくれた人を聞いたことがない。明解した人を知らない。

プロ選手でもプロの解説者でも疑問なく使い、これで済ませておけば、そこで終わる。

聞いている方もなんとなく、わかった気がする便利なことば「流れ」。

 

競馬でもこの「流れ」を使うものだが、この場合は「展開」のことを言う。

競走馬にはそれぞれ、特徴があり、先に早く行ったり、最後の方まで力をためておいたり、

馬込みが良くなかったり、早いペースがよかったり、遅いペースが良かったり、

これを、レース中、最も力が発揮できるように騎手は操作して

「展開」が自分に向くようにする。

これがハマれば「流れが向いた」と言い、逆を「流れが向かない」と言う。

この時に使う「流れ」という意味は良くわかる。

 

先日の世界陸上で負けを喫した王者モハメド ・ファラー。

世界中の強者が、マークして、ファラー包囲網を敷く。

 

100mや200mはセパレートになっており、自分の走る道が用意されている。

長距離になるとみんな内側の経済コースを走りたがるので

ポジションどりも勝負の内であり、レースの「流れ」を左右する。

また、スピードを生かせる選手や持久力を生かせる選手が、

それぞれの特徴を生かせる「流れ」を作ろうとする。

また駆け引きとマークする選手により、各レースごとに内容を異にする。

だから、単純に走るスピードや持久力、タイムの良し悪し、だけで勝負は決しない。

 

ファラーという突出した選手に勝つために、同じ国の選手同士で結託して

一人がハイペースで飛ばし、レースの「流れ」を読みにくくさせ、乱す。

または、ファラーを囲うようにレースの「流れ」をつくり、スローペースになったりする。

このように「流れ」が存在し、

レースの駆け引きにより、出来上がる展開が「流れ」ということになる。

 

野球で使う「流れ」は、守備側のチームがリズムよく相手を3人で終わらせ、攻撃に移ると

「流れが引き寄せられる」とか、

ファインプレーが飛び出すと「このファインプレーは相手に流れをやらない」とか

言ったりする。

 

実際に、そういうケースに出くわしてきたので印象に残り、「流れ」を大事にするのか。

または、偶然にもうまく行ったレアケースが特に印象に残っていたもんだから

「流れ」が存在すると信じているのか。

または、よくそう言うので、そうなんだと思い込んでいるだけか。

 

実態は、誰もわからない。

 

統計に基づいているのか。分析されているのか。

特に分析されてもおらず、実態のわからない「流れ」で済ますことを解説と呼べるのか。

吟味されていないのに電波に乗せて発言できる解説者と名乗る人を専門家と言えるものか。

月曜連載。

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