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大谷の岐路Ⅱ

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にわかに沸騰した“二刀流”再考。

この場では、5年前から、この大谷のいわゆる“二刀流”を記してきたので

振り返りながら、現状と比べたい月曜日。

 

前回は、一貫して、警告してきた江本の発言をひとつだけ取り上げてみた。

つづけて取り上げてみよう。

二刀流の危険を警告し続けた江本孟紀「無責任に煽るな」 大谷ケガで直言

 

“そもそも、多くの人が二刀流をあおり過ぎです。大谷はこれからの野球界を背負う宝です。今回は肘のケガですが、このまま二刀流を続ければ肩を痛める危険性がある。肘のケガから肩を壊した選手はたくさんいて、そうなると選手生命に関わるのです。その危険性があるのに、まだこのままで大丈夫なのかと言いたい。”

この、ケガのリスクということについては、この場では過去にこう記している。

 

大谷は10勝、22ホーマーした2016年だけが、兼任としてフル回転した年と言えよう。

毎日のように試合があり、移動も大変なプロは、疲労を取り除いている暇がない。

その中で、どちらも続けていると調整が難しく、ケガのリスクは高い。

実際、大谷はこれまで幾度かケガをしている。しかも体が大きいだけに、さらにリスクが高い。

1年間フル回転したとしたら、さらに次の年も続けることは大変となる。

プロの選手で5体満足でプレーしている選手は少なく、多くが体のどこかに不安を抱えている。

働けば働くほど、ケガは増えていくのだ。

 

“多くの人はそれでもいいでしょう。ショーとして楽しんでいるだけですから。大谷の選手生命が途絶えても、その人達は責任を取るわけではない。無責任に二刀流を褒め称えてきた人たちは、これを機に考え直してほしい。”

 

このショーという表現にも、同じような内容をこの場で記した。

 

ピッチャーで10勝、打者で15ホーマーくらいをやるなら、それは成功と言えよう。

ただ、それは大谷以外の選手がやった場合だ。

例えば、桑田が投手と打者を兼任していたら、これくらいはやったかもしれない。

大谷が他の選手と決定的に違うところは、大谷はどちらも超一流だということ。

どちらの分野でも今までの選手が誰も達成していないことをやる可能性があるということ。

10勝15ホーマーくらいで喜べるのは、投手として1流だが、NO.1ではなく、

打者としても1流だがNO.1ではないという選手のこと。

大谷はどっちもNO.1であり、どちらかで今までに誰も到達できなかった所に行く可能性がある。

そういう選手が、

他にもできる可能性がある10勝、15ホーマーくらいで満足していていいのかとなる。

それは、大谷の可能性をつぶしていることになる。

 

“OBの二刀流賛成派には2通りの人がいます。一つは大谷を褒め称えないと野球解説などの仕事に影響がある人。マスコミの論調に合わせないと仕事がなくなってしまうかもと忖度している。もう一つは、少しこじつけになるが、素晴らしい成績を残したOB。大谷に自分の持っている記録を抜かれたくない人です”

これについても、この場では次のように記した。

 

特に若い解説者は世の中の風潮に合わせ、ファンと同じように、すごいすごい言っていれば

波風が立たない。

結果だけをとって、どうしてその結果が出たかを解説しておけば、体裁を保つことができるので

その言い方に終始する。

 

そして、マスコミは金になる目が消えてしまうので“二刀流”反対は、封印してきた。

野球評論家と呼ばれる人たちの中にはわかっているのに仕事が減るので夢があるなどとしてきた。

大衆から外れることで仕事の依頼がなくなることを恐れているからだろう。

張本や江本のようになんでも好きに言っていい身分で

しかも、疎ましがられても、それが売りの重鎮しかこのことを言わないのだ。言えないのだ。

大谷の成績が伸びなくなると、これに追随する人が出てくるだろう。

まして、誰かれも大谷の活躍に胸を躍らせている中、

真っ向否定するような江本の立場を貫くことは勇気がいる。

 

次週へ。

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