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大事なことは復帰することでなく、さらなる進化 大谷岐路Ⅷ

Slugging Los Angeles Angels pitcher Shohei Ohtani greets Seattle Mariners outfielder Ichiro Suzuki during training in Seattle on May 4, 2018. The Seattle Mariners said the previous day Ichiro is transitioning to the role of special assistant to the chairman of the team. (Kyodo) ==Kyodo (Photo by Kyodo News via Getty Images)

大谷が20本のホームランに到達した。

1年目で、しかも出場試合数が少ない中で、さすがの数字だ。

打撃で今のような活躍をしていれば、ますます、ピッチャー専念という判断ができなくなるだろう。

 

今回の大谷のケガで、手術すべきかどうかを部外者がいろいろ言っている。

手術して直るならすべき、切れていないのだからせず、違う療法を。などだ。

どちらの選択も大谷自身にかかっているのだが、焦点となるべきところをついていない。

それは、このケガが何によってもたらされたかということと、このケガが大谷の可能性を狭めて

しまったということ。

 

このケガの原因はどこにあるのかを、しっかり振り返ってもらいたい。

ピッチャーとしてのトレーニング、ケアを十分にしていれば、防ぐことができたということがあるならば、

これからの野球人生をもう一度考え直してほしい。

しっかり治して、また出てきてほしいとか、今までのパフォーマンスをまた見せてほしいとか、

そういうことじゃない。

大谷の場合、直ればいいという問題でないのだ。

大谷の活躍が見たいということにとどまらず、今まで見たことがない超人プレーヤーが

どこまでのパフォーマンスをやってくれるのかを見たいのだ。

進化のために大切な20代前半でつまづいてしまったことは本当に残念。

 

大事なのは、このケガで大谷のポテンシャルに傷がついてしまったということ。

20代前半の大事な時期に、未知なるポテンシャルの成長を途切れさせてしまったということだ。

すでに大谷の成長は削がれてしまった。

これでピッチャー専念という発想は遠のくことになろう。

こうなったらそれでもいい。

これだけのケガをしてしまったのなら、打者としてのハイパフォーマンスへの道も考えざるを得ない。

 

一番大事なことは復帰してくれることじゃなく、さらなる進化をしてくれること。

大谷が一流選手の1人に過ぎないのなら、このまま続けても、手術してバッターをやりながら

ピッチャーとしての復帰をしてもいいし、このまま様子を見ながらバッターでの姿をみせる選択でもいい。

だが、大谷は超一流であり、さらにその超一流をも飛び越えた初めて見た選手だということ。

そのパフォーマンスの最大発揮はどこまで行くのか。その可能性の追及が求められる。

すでにチームへの勝利のための1選手という域を超えて、人類の肉体の可能性の追求という選手だ。

復帰すればいいということにとどまらない。

このケガをしたことで、すでにその成長にブレーキがかかった。

大谷のポテンシャルは縮まった。

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