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速い球をスピードガンに頼るのは表現の方法が他にないから

今のプロ野球で速球派の部類として、最速145㌔の速球をもつピッチャーとは紹介しない。

高校生ですら150㌔を投げて珍しくなくなった。

このスピードは高度な機械で、それも数字で表されるので素直に受け入れがちだ。

ただ、機械にも性能の違いがあるだろうし、球場によって球速表示は違うとされ、

たまに200㌔とか表示されると、これは即座に誤計測と判断される。

そんなにでるわけがないと決めつけるわけだ。

ということは、機械表示がいつでも正確というわけではないということになる。

現に200㌔が出ているのにそちらは却下している。

 

球速表示が遅い球でも打者が速く感じる球がある。

速く感じるというより、いい球だなとか、キレのある球だなと感じる球だ。

そういう球は打者の目の前をシュルシュルなどと音をさせながらミットに収まる。

 

手元でスピードを感じなければ速くない。

おそらく、打者が打つか打たないかの判断をするのはピッチャーとバッターの半分くらいは

過ぎてからだろう。

打者は半分向こうにある球が速いか遅いかストライクかボールか真っ直ぐか変化球かは

わからないまま、タイミングを取り、始動している。

結局、半分を過ぎ、打者が判断して、それからが速いかどうかが良い球と棒球の差ということになる。

打者の半分向こうでいかに速くとも、それ以降が遅かったら打者に分別される。

逆に半分から向こうがどんなに遅くとも打者が打ち出してからが速ければ速い球なのだ。

つまり、18.44mの半分向こうで200㌔、それ以降が100㌔の150㌔の球と

半分向こうが10㌔でそれ以降が150㌔の80㌔の球だったら後者が速球となる。

実際にそんな球はないけど。

ただ、絶対的スピードを持つ球は、手元がどうのと言わず、速いものは速い。

 

桑田は「スピードガンはゴミ箱に捨ててほしい」などとと言っておきながら

テレビの解説では平気でガンの表示で解説している。

それは、スピードを伝えるためには速い遅いで表現するより、細かく比較できる

数字による表現の方が伝えやすいからだ。

そしてイメージとして何キロ投げればあんなピッチャーと同じようなストレート、

何キロ投げれば速い、などという常識として定着してしまった。

それは、洗脳とも言えるほどだ。

 

150㌔表示が出て、速いなーという感想を持つ人も実際に打席で生の150㌔の球を

見たことがある人は少ない。160㌔となったらプロでもない限りまずいない。

打つ打たないを別にして打席で150㌔の球を見ても、速いという感想を持たないかも

しれない。最初は速いと感じても、球速などは慣れだからずっとその球を見ていれば

速いとは感じなくなる。

それでも、速いなーと無条件に受け入れるのは

スピードガンで育ち、全てはガンの表示でしか表現ができないから。

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