昨年のシーズン前は本人の意思とは別のところで、日本復帰が騒がしくなっていた。
地元・中日がオファーを出しており、ヤクルトや古巣オリックスなど憶測が飛び交った。
ヤンキース移籍あたりから悪くなっていったバッティングフォームは、
止まることはなかった。
MLBでは、今まで以上の働きはもうできないということに、
やっと日本の球団やメディアは気づいたのか、
イチロー獲得で話題をつくり、球界に刺激をと考えてのオファーだったか。
あの技術の王様がどうしてそうなってしまい、そして、なぜ直らなく、
悪くなる一方なのか、ずっと不思議でならなかった。
それは、引退した今でも疑問として残る。
とかく、体型も変わらないと言われたが、小さくなったように映った。
ユニフォームの着こなしでそう見えただけなのか、
どうにも張りが薄れたように感じたものだ。
先日の引退試合となった、日本での数試合では、芯を食った打球はフェアゾーンに
飛ばない、甘い球が上に上がっても、外野を後ろに下げることもできない、
フェアゾーンに飛ぶ打球は力なく詰まる。
1人レベルにあっていない選手がいるように映った。
無双だったあのイチローが、逆無双に陥っていた。
求める姿ではなくなって久しかったイチローには、そのプレーに興味を持てないので、
MLBの舞台からもっと早く、降りてほしかった。
イチローを失う喪失感より、あんなイチローは見たくなかった。
それが、スーパースターの引き際というものだ。
日本復帰してもファンが求めるイチローたるプレーは、望めない可能性が高かった。
日本人にさえ手こずる、後塵を拝するイチローの姿は見たくないが、
野球人生終焉を日本で見たい気持ちもあった。
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