ONという存在は
日本にプロ野球がある限り語り継いでいかなければいけない存在なんだ。
これは、長嶋と犬猿とまで言われていた野村の発言だ。
あの野村が長嶋を評して言っているのだからその意味は重い。
ONより若い世代で、
ONがデビューする前のプロの有様を知っている人に言わせると、
「昔は、都市対抗の社会人や東京六大学が日本の野球では人気があったんだ。プロは興業としての存在。場合によっちゃ社会人チームの方がプロに勝つだけの実力があったもんだ。」
すると、
「そうそう。昔は、6大学野球、特に早慶戦は徹夜して並ばなきゃ入れなかった。まあ、徹夜して並ぶのが楽しかったんだけどな。」
そして、
「それを、人気でも実力でもプロが文字通り頂点になったのは、ONが出てきたからだ。このONの存在で日本の野球の図式が大きく変わり、日本の第一スポーツとしての地位を確立したんだ。」
それまで、人気を博していた6大学で
そのスター・長嶋がプロ相手にどんなプレーを見せるのか。と注目される。
ところが、デビュー戦で4打席4三振。
これを目の当たりにした人は、やっぱりプロはすごいんだとなり、
プロの株が上がることになる。
エンターテナー・長嶋がデビューで4三振は結果的にプロを注目させるに
効果があったということが言えそうだ。
三振することで、さらに注目させるという芸当は、さすが長嶋と思わされる。
そして、その後の活躍により、スーパースター・長嶋とともに
プロ野球が発展していった。
そこへ翌年、導かれるように王が入団する。
長嶋とは全然、違うタイプの王は美しいフォームときれいな放物線を描く
ホームランでファンを魅了する。
この2人が並び立ったことが、プロ野球の幸運だった。
野球のみならず、日本の経済、文化に与えた影響は計り知れない。
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