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オリンピックに野球はいらないⅣ オリンピックを目標にしているなどという選手は1人もいない

ATHENS - AUGUST 20: Yoshinobu Takahashi #24 of Japan makes a diving catch in the baseball preliminary game against Canada on August 20, 2004 during the Athens 2004 Summer Olympic Games at the Baseball Centre in the Helliniko Olympic Complex in Athens, Greece. (Photo by Jamie Squire/Getty Images)

オリンピックは人類の肉体の可能性を知る大会ということがもともとのコンセプトなので

オリンピック3大競技は陸上、水泳、体操となる。

これらのスポーツは、試合に向けて、日頃の生活を節制、調整し、万全の体調で

臨まないと好結果が全く望めない競技だ。

野球選手なんかは、暴飲暴食して、一睡もせずグラウンドに来ても、

ホームランを打ったり、結果が伴ってしまったりする。

それは、道具の力を借りてやるスポーツだからだ。

肉体の可能性を知るには、なるべく道具を介在しない競技がよく、

また、多くのルールに縛られない単純スポーツがいい。

己の肉体の連動の成功にのみ、結果を託すスポーツには暴飲暴食、睡眠不足で

結果を残すことはありえない。

競技の瞬間に照準を合わせ、ピークがぶつかるようずっと前から調整する。

人間の肉体の可能性を体現してくれる陸上、体操、水泳という選手にこそ

アスリートという表現があてはまる。

また、各競技に適して作られた体が見事だ。

短距離なら、脚のみならず上半身も筋骨隆々。

そして、プリッと上がったヒップと筋の通った脚線美。

長距離なら無駄な肉は一切ないといわんばかりにそぎ落とされた体。

高跳びの選手は一様に脚が長く、長身。

人類の運動能力の限界を追究するために、出現したまさにアスリート達だ。

オリンピックで野球をやるなら、アマチュアに提供してあげたい。

もともとは、アマチュアだけの大会だったし、他の大会とコンセプトをはっきり

分けて戦うのがいい。

プロだけで構成される日本代表でオリンピックを目標にしているなどという選手は

1人もいない。

アマチュアだけの大会だった過去には、ドラフト1位ほどの実力がありながら

オリンピックでキューバに勝つためにプロを拒否した杉浦のような人間ドラマがあった。

オリンピック金メダルのために人生の全てを捧げ、

自らが成し得ずとも、その礎を築き、上野というスーパーエースを得て、

悲願の金メダルに絶叫したソフトボール宇津木のような人もいる。

多くが4年に1度のこのために人生を賭けている。

人類のスポーツの祭典にはこういうドラマが相応しい。

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