セ・リーグにDHを導入する案を巨人が提案したが、もう見送られたようだ。
見送りの最も大きい理由は、これまで長く続けていたパ・リーグとの制度の違いを覆すことに
抵抗があるということだろう。
セ・リーグがパ・リーグに追随する形がどうにも許せないということなのか。
巨人が示した導入の理由は3つあり、その中のひとつに
「第三に、我々はお客様にプロならではの試合を提供する責務があります。セ・リーグでは、点差によって投手がバッターボックスの後方に立ってバットを振らない、または空振りする場面が見受けられますが、プロスポーツとして本来許されるものではないと考えます。」
とある。巨人のこの理由こそがまさに枢要で、この部分は実現しなければいけないことだ。
これについてはこの場で何度も記してきたことだ。
この巨人の主張は最も大事にすべきところで、一字一句全てが正しい。
だから、ここを無下にしてはいけない。
DH制を取り入れないと決めたとしても、この部分だけは改善に向かわなければいけないところだ。
その理由を記して行こう。
ピッチャーが、野手顔負けのバッティングをみせることで、その選手の野球センスに感心したり、
投手の打撃成績記録を楽しんだりといったことはある。
しかし、いくら打撃が良いピッチャーと言っても、打者(野手)としてプロの世界に入って、1軍におり、
日々鍛錬している選手よりは劣る。
ピッチャーの打席を避けるべき理由は、プロという最高レベルの試合の中で、その瞬間、
アマチュア以下のレベルの対戦が繰り広げられてしまうからだ。
ピッチャーが打席に入ることで投げる方(守る方)としては、ひとつのアウトが計算できる。
ピッチャーの前の打順までに、ふたつのアウトをとっておけば、
ランナーを3人出しても構わないことになる。または、ピッチャーでひとつアウトをとり、
前後はランナーを出しても構わない場合も出てくる。
このことにより、投げる方は、ピッチャー以外の打者への攻めにも神経を注がずにいられることになり、
高度な戦術が期待できなくなってしまうのだ。
プロの最高のレベルの戦いにはこの瞬間は、ふさわしくないと言える。
常に最高レベル、最高のエンターテインメントを見せるなら、この瞬間をなくさなければならない。
そういうことで言えば、ピッチャーが打席に立たないという事だけに限らない。
他にも「プロスポーツとして本来許されるものではない」瞬間はある。
明日へ。
https://twitter.com/yakyucolumn